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■1■女部田城(西側から)
群馬県境の土坂峠からの県道71号線の新しいバイパスから撮影したもので標高475メートルの山頂にしてはどっしりとした存在感があり、「14」の写真のように旧道沿いの上吉田地区の様子を窺うには正にもってこいの地理的条件を備えています。
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■2■女部田城(東側から) 画像クリックで拡大
大波見集落付近から撮影したもので、本来女部田の集落はもっと南東に所在する上吉田小学校付近を指していると思われます。したがって地名からすれば「大波見城」でも良さそうなものですが。
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■3■女部田城への登口
入山ルートは「4」の谷筋の1ヶ所のみのようですが、写真の個所から入っていく道と100mほど南側から民家の庭先を通る道があります。ただし、いずれにしても「4」の場所に行き当たります。
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■4■墓地の右側を登って沢筋の道へ
この場所辺りまでなら軽自動車くらいならば入れそうでしたが、勿論この場所で自動車は通行止めになります。
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■5■谷筋の山道
始めは国土地理院の2万5千分の1の地形図にも掲載されているように、思いのほかしっかりとした山道が続きます。しかし、200mも進まないうちに倒木や斜面の崩落個所があり次第に踏み跡が寂しくなっていきます。更にすすむとやがて倒木が進路を阻み、次第に獣道か山道かの判別が困難になってきますが、ひたすら稜線を目指して谷筋をすすみます。このときは渇水期で谷川には殆ど水流がありませんでしたが、途中からは沢そのものを登るようになるので雨の多い時期にはおそらく進むことは困難となるのではないかと思われます。
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■6■眼前の岩場 画像クリックで拡大
両側の谷が迫り道は次第に「けもの道」の様相を呈し始め、やがてこの岩場が目前に出現します。この辺りまでは予想通りだったので、少しも慌てることなく(本当はかなり慌てて...)地形を読み岩壁を攀じ登ることがないような安全ルートを模索。まず、向かって右側には明らかに獣道の跡があるものの、どうやら岩場の真下に出てしまう可能性がありそう。尾根筋までの比高差は目測でおよそ50mほどなので、向かって左側の谷沿いに迂回することに決定。
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■7■すでに道は完全消失
「6」の岩場を巻いてから九折でなんとか斜面を攀じ登り、結局スタートから45分ほどで無事に尾根筋到着。倒木や足元の悪さに前進が阻害されるものの稜線までは直線で50mほど。再び稜線をにらみつつ登りやすそうなルートを選び、下山の時の目印のテープを木の枝に巻きつけつつ、前進して登り始めてから45分ほどでなんとか稜線に到達。
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■8■堀切
到達した稜線の場所が丁度尾根筋が分岐する最短ルートであったため、稜線を歩き始めてから3、4分ほどでこの堀切の個所に到達しました。右側の岩塊の高さは約2.5mほどで、「記念撮影」の画像のとおりその先にまた堀切が施されているように見えました。
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■9■三の郭
堀切を過ぎた所にこのように幅3m長さ6mほどの小さな平坦地がありまので、しいて言えば三の郭ということになるのではないでしょうか。
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■10■二の郭
「9」の平坦地からやや急な斜面を木の枝に掴まりつつ比高差にして10mほど登っていくと、幅約約6m長さ約20mほどの余り見通しのよくない平坦地にでます。
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■11■観音山方面
二の郭の木の枝の間からは観音山方面が見渡せますが、日尾城や合角ダム方面は叢生する樹木だけではなく、この観音山や同程度の標高を有する派生した尾根筋などに視界をさえぎられて状況を確認することができませんでした。
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■12■主郭
尾根筋の先端部分なのでとりあえず主郭に相当するようです。なお、この地点から北東の尾根筋伝いに道らしきものが続いているようですが、途中から岩場の難路に出くわすようですのでこのルートからの登攀・下山は困難な模様です。
したがって入山のルートはおそらく梅沢氏の資料に掲載されているこの道筋だけのようです。
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■13■主郭先端の石祠
山の神を祀った石祠があるということは、かつてはもう少し明確な登山ルートがあったものと思われます。ここまでのルートが事実上廃絶していますので、お参りに訪れるはずの地元の方も少なくなってきたのでしょうか。
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■14■上吉田塚越の集落
200mほど下方には山間の集落としては意外なほど規模の大きい旧上吉田村の中心の一つとなる塚越の集落が手に取るように見下ろせますが、余り縁の方まで近寄ると転落しますので要注意なのでありました。遠く霞んで見えるのは武田勢の侵攻ルートの一つである土坂峠方面かと思われます。
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■15■堀切のような括れ 画像クリックで拡大
主郭と二の郭の間はこのように痩せ尾根が更に括れたような地形をしていましたが、この現状からでは堀切などの形跡を見つけ出すことはできませんでした。また主郭は風当たりが強いためか落ち葉なども見当たらず、このように恰も掃き清められたような実にこざっぱりとした景観でした。
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■16■女部田城(北東側から) 画像クリックで拡大
ルートを探しながらの上りと比べて、ひたすら下山するだけの下りは所要時間が全く異なるようで、稜線直下の水分をたっぷり含んだ枯葉の斜面でスライディングした以外にはたいして時間もかからず正味30分程度で下山完了。勿論目印に付けさせていただいたテープがその効用を発揮したことはいうまでもありませんでした。
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