長岡氏館

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	長岡氏館
関連ページのリンク	2004/11/22の日記大塚館　大河原氏館　堀込の城跡　大法寺館　三福寺陣城　善能寺館　善能寺塁
所在地	埼玉県坂戸市長岡中耕地86
歴史と沿革	「坂戸市史」によれば、浅羽小三郎行光の孫盛行が長岡四郎を称し、長岡は浅羽一族にとって入西耕地の水源を確保する重要な場所なので、この堰の近くに館を構えていたと考えられるという。　また、「坂戸市歴史散歩」には越辺川の水を入西地区に引くきっかけとなった「往生要集」を著した天台僧「恵心僧都源信」（942～1017年）に纏わる阿弥陀堰の伝承が掲載されている。それによれば「源信が全国行脚の折り、この地の天斉という行者の住まいに立寄り阿弥陀如来像を認め、その阿弥陀如来のお告げにより長岡の村人たちが頑丈な岩を穿ち用水路を完成させ、日照による水不足が解消された」とのことである。小山の三福寺に伝わる「雨乞いの阿弥陀如来画像」（坂戸市指定文化財）との関わりもありそうな。「新編武蔵風土記稿」にもこの阿弥陀堰の記述がある。　「小田原衆所領役帳」によれば当時入西長岡は他国衆原上総介が6貫387文で領していたという。当時においては水田はほとんど無く畑だけの土地であったと考えられることと、その周囲の地形から考えてもこの土地との関わりは知行上の関係だけであろうと思われる。原氏については「坂戸市史」では浅羽下総守の一族などとの関わりを示唆している。
確認できる遺構	土塁？
構造的特徴および周辺の地理的特徴	毛呂台地の西北の外れの田園地帯にあり、農業用水の水路や街路予定地などに隣接し実際の所どれが遺構かは定かではない状態。「帝國博物学協会」さんのサイトでも館址としてはっきりとは断定していません。付近の農地や宅地を良く見てみると確かに、越辺川の氾濫対策の関係で土盛りされていると思われる箇所が多く見受けられ、本当に判断がつきかねます。また、館址がここであるとすると、水路の位置が概ね大字境であるので長岡と北浅羽にまたがっていることとなります。
参考資料、古文書、記録	「坂戸市史」(1992年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸の歴史--坂戸市文化財ガイド」(1992年坂戸市教育委員会編集発行) 「坂戸市史--中世資料編1」(1987年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸風土記--坂戸市史調査資料第１号」(1978/坂戸市教育委員会発行) 「中世の坂戸」（1996年坂戸市教育委員会編集発行）「中世北武蔵の城」（梅沢太久夫　著　2003/岩田書院刊）「坂戸風土記--坂戸市史調査資料第１５号」（1989年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行）「坂戸市史中世資料編Ⅱ」（1980年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行）
文化財指定	無
訪城年月日	2004/11/22

訪城の記録	<<2004/11/22>>　昨日使用で都内のほうに一日出かけていたので、体が重たい感じでしたが何はともあれ準備不足のまま予定の訪城。そういうことなので、先ず「長岡氏館」では最初から曲がるべき信号を行き過ぎてしまいました。手前からではまったく分かりませんでしたが、用水路沿いの畑の東側が土塁跡のような形跡を見せている部分があります。　ここは遺構に相当すると思われる部分が農業用水によって南北に分断されています。また、周囲には越辺川の氾濫を考慮してか宅地や農地のかさ上げが目立ち、板碑の存在がなければ中世の遺構があるようには思えない地域です。水田地帯の館跡ということで、鎌倉期の遺構ということになるとは思いますが。遺構の半分は水路を挟んだ北側の畑にあります。北側の遺構は一部農家の宅地となっていますが、東側と西側に土塁ような名残が見えます。しかし南側にも同様なものが見えますので、よく考えてみると後世のものである可能性も高そうな感じがします。　遺構とはまったく関係がないのですが、南北に分断する水路に沿って坂戸市の街路が計画されているようで、一見立派な土塁に見える路盤の造成工事が行われているので勘違いするかも(^^;　いずれにしても農地の整備やその後の越辺川の氾濫などのことを考えると当時のままの遺構を確認することは難しいのでしょう。
	■画像クリックで反対側からの拡大画像に。　北側の土塁跡と思われる畑の中にある古い墓石と板碑。「胎蔵界大日如来（ア）種子板碑」銘文「不喜」高さ132cmとのことです。こういう光景を見ると、確かにこのあたりにという感じがしますが。　<<2004/11/22　撮影　曇り>>
交通アクセス	河越観光バス竹之内長岡境バス停下車徒歩２分。薬局の道路を挟んだ反対側の街路予定地の西側に伸びる土塁のような路盤の山が今のところの確実な目印。

<<2004/11/22　撮影>> 　

	南側の部分の東側にある土塁状の畑の土手。この写真のように水路が多く設置されて、農地の改良事業などもあると思われるので、当時の遺構とみるのは難しいのかもしれません。
	南側部分の南側道路に接したあたりの様子。先に進むと下り坂となり一つ前の写真の水路の所にでます。
	墓地のある場所の南側には水路と「このような折のある立派な土塁がって．．．．」、実は坂戸市の街路予定に地ある街路工事の路盤です。ったく紛らわしい所に紛らわしいものを(^^;
	北側の畑の土塁状の土手を南東側から撮影。
	街路予定地土手の上を西側の越辺川に向かって歩いていて目に入った民家の土手が大変立派でした。水害対策と思われますが、北側部分で4ｍ近くの高さがありました。

　

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