平山氏陣屋　中世城館　城跡　城址　埼玉　武蔵

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	平山氏陣屋
関連ページのリンク	2004/12/25の日記　北浅羽館　長岡氏館　善能寺塁　善能寺館　大法寺館　大類氏館　三福寺陣城
所在地	埼玉県坂戸市小山鳩森５７
歴史と沿革	■「坂戸市史　通史編上」などによれば、後北条氏の家臣平山長寿が、入西郡小山、桧原（東京都桧原村）などで合計16貫228文を知行していたとされている。　平山氏は桧原城を拠点としていた在地領主で、坂戸市の小山には代官の平田氏が統治。　当地の平田家には北条氏照が長寿の子と思われる伊賀守氏重に当てた書状が残り、氏重はその子新左エ門と共に天正18年の秀吉の関東侵入により桧原城で戦死。 ■なお、「北条役帳」にはこのほか平山善九郎という人物が入西郡平山16貫700文を領していたとされているが、この人物については詳細は不明のようである。 ■平山氏が本拠としていた桧原村と坂戸市とでは直線距離にしても35km近くの距離があり、起伏と河川も多くありとても一日で往復できるような地理的関係ではない。　また、一町四方程度というこの陣屋の規模から見ても、桧原城を本拠とする平山氏が在地の有力者の平田氏に所領の当地を委任していただけの関係であろう。さらに、板碑に記された年号からすると代官とされている在地の有力者平田氏などが、14世紀中頃の時代から居を構えていたと考えることもできる。
確認できる遺構	土塁？、空掘？
構造的特徴および周辺の地理的特徴	■毛呂台地の北端に位置し、周辺には北西約600ｍに長岡氏館、北北東約900ｍに北浅羽館、南西約500ｍに善能寺関係の遺構などが集中している。遺構らしきものが確認できるのは陣屋跡とされる区域の北西側に集中している。
参考資料、古文書、記録	「坂戸市史」(1992年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸の歴史--坂戸市文化財ガイド」(1992年坂戸市教育委員会編集発行) 「坂戸市史--中世資料編1」(1987年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸風土記--坂戸市史調査資料第１号」(1978/坂戸市教育委員会発行) 「中世の坂戸」（1996年坂戸市教育委員会編集発行）「中世北武蔵の城」（梅沢太久夫　著　2003/岩田書院刊）「坂戸風土記--坂戸市史調査資料第１５号」（1989年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行）「坂戸市史中世資料編Ⅱ」（1980年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行）
文化財指定	無
訪城年月日	2004/12/25

訪城の記録

（　2004/12/25　）
■油断すると道を間違える
　またもや、小山の三叉路で右に曲がるべき道を左に間違えて、毛呂山町大類の信号のはるか先の方まで行ってしまった．．．．今日はどうも調子がいまいちで(^^;　
　仕方がないので大類のまで戻り交差点を左折して少し戻ってから、目的の場所を目指しました。あ、そうだ苦林野の古戦場と塚原古墳群をよく見ておかなくては．．．．でも日没までの時間がない．．．．
　場所そのものは直ぐに分かりました。少し以前に訪れた長岡氏館の手前なので、これが分からなかったらもう人格崩壊に(^^;

■土塁か、古墳か
　さて、遺構と思われるようなものは．．．．．と、ぐるっと館跡の周囲を歩きながら一周して、どうやら工場の駐車場脇の空堀跡と思われる溝と北西の角にある土塁のような高まりの確認に成功。
　あとで「坂戸市史」の古墳の分布図を確認した所、周辺地域に該当するものはなさそうなので、多分オリジナルの土塁であろうということに。
　ただ、古墳であることが確認されていない古墳もまだありそうなので、これがなかなか油断ができない。
　さらに、近世の浅間講、富士講などの記念塚の場合もあるので、これがまたなかなか難しい所です。　

■２００４年は合計５８ヶ所の訪城　このあと、２か所ほど回ろうとも思っていたのですが、この時点で訪城記録未整理のものも数多くあり、午後２時を過ぎていたので本日はこれまでということに。
　平山氏陣屋の遠景を撮影していて、ふと反対側を振り返ると奥武蔵の笠山をはじめとする800メートル級の山々が意外なほど近くに。そういえば、ここは坂戸市といっても西の外れで、鳩山町、毛呂山町に隣接した毛呂台地の先端でありました。
　年末に雪が降ったため、このようにして、２００４年の城跡めぐりは結果的に終了することに。２００４年の８月下旬から、怪しげな不詳の堀跡・地面の凸凹を含めて合計５８ヶ所を訪城。　

Ｂｅｓｔ　Ｓｈｏｔ？

■坂戸市はやっぱり板碑の宝庫です。下の写真の長屋門脇の18体の板碑群。貞和二年（1346年）から康正二年（1456年）の間の年号が刻まれています。
■坂戸市内の板碑の中でも、寺院や共同墓地を除くいた個人の方の所から確認された数としては抜きんでています。
　(　2004/12/25　撮影　晴　)

交通アクセス

・県道171号線の入西バス停留所より北へ徒歩5分位。

（　2004/12/25　撮影　）

■工場の駐車場との間に残る空堀状の窪みですが、遺構かどうか微妙な印象です。

■左側と同じ空堀状の遺構にもみえる窪みですが、こうしてみるとやっぱりそれらしい感じがしてきます。

■陣屋跡の北西部分にある土塁と思われる人為的な地面の高まり。近年、陣屋跡と思われる敷地の一部に近くの工場の施設が進出しており、以前はその辺りにも土塁などの遺構があったのではないだろうかと思われます。

■先ほどと同じ土塁ですが、逆光もうまく利用すると、かえって立体を際立たせる場合があります。

■陣屋跡に所在する幕末か、明治初期の建築と思われる長屋門。屋根部分は最近の修理が施されている模様です。

■屋敷林のある辺りが陣屋跡。


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