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	大穴城址
関連ページのリンク	2004/09/18の日記　　大堀山館　広谷北城　広谷宮前城　下広谷の遺構① 　下広谷の遺構② 　広谷南城
所在地	埼玉県坂戸市大字中小坂字大穴733(住居表示では東坂戸1丁目671番地)
歴史と沿革	■「新編武蔵風土記稿」には「小名大穴、古此ニ陣屋アリシト云何人ノ居所ナルコトヲ伝ヘス、今三、四町許(ばかり)ノ所、廻リニ土手ヲカマヘタル跡ノコレルアリ」と記され「三芳野村郷土誌稿」にも同様の記述がなされている。 ■明治８年(1875年)に編纂が指示された「武蔵国群村誌」では中小坂村の古跡としての記述は見当たらず、大正元年(1912年)１０月に安部立郎氏があらわした「入間郡誌」では当時の三芳野村の沿革の項に「中小坂の西境に土俗呼で大穴と称する処明かに土塁の跡を存し、館跡なること一点の疑いなしと雖も、何人の居なりしや明かならず...... 」との記述があり、さらに中小坂の項に「大穴　西境にあり。街道の北に位置し雑木林の間、高きは１丈、低も６、７尺ばかりの土手矩形に連なりたり。」と記されている。 ■また昔から「五反山」「御殿山」とも呼ばれており、江戸時代初期に旗本本田秀玄が陣屋を設置したという話も伝えられているという。
確認できる遺構	整備されすぎた状態で郭と土塁が残されているが、公団団地の公園であるため遺構と公園建設に伴う造成の区別がつかない。台形状の区画で三方に公道があり残りの一方は直接団地の建物に面している。広さは公園全体で約8000平方メートル程度と思われる。
構造的な特徴および周辺の地理的特徴	■このあたりは川越市と坂戸市が複雑に入り組んでいる地域ですが、地域全体の城郭配置で見ると平成16年3月に埼玉県の重要遺跡から史跡に新たに指定しなおされた大堀山の城跡群から見て、直線で南東に７００ｍという極めて近い位置にあることから何らかの関係を連想させます。(「坂戸市史」でも同様の指摘がありますが、全体で僅か10行足らずの説明しかありませんでした。) ■また、北に越辺川の支流大谷川、南には今も水路が残るなどの深田などの低湿地帯を有していたらしい。さらに１km南には小畔川も流れており、ある程度の自然の地形の防御機能を利用した城郭であった可能性があると思われます。比高は下の道路部分から見て最大４～５メートルあるかどうかの小高い岡といったところです。
参考資料、古文書、記録	「新編埼玉県史　通史編２」　(埼玉県/1988編集発行)　「坂戸市史」(1992年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸の歴史--坂戸市文化財ガイド」(1992年坂戸市教育委員会編集発行) 「坂戸市史--中世資料編1」(1987年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行)　「新編武蔵風土記稿」(1981/雄山閣刊)　「坂戸風土記--坂戸市史調査資料第１号」(1978/坂戸市教育委員会発行)
文化財指定	無
訪城年月日	2004/09/18
訪城の記録	（　2004/09/18　） ■「大穴城」は公団の東坂戸団地にあり完全に公園化されている。城址公園というより団地の中のどこにでもありそうな普通の公園という第一印象。おまけに郭跡らしきものの上に高圧線の鉄塔が屹立している。公園脇のゆるい坂になった峠部分のところに車を止めて観察......というよりも散歩しながらデジカメで公園内を撮影している怪しい中年男といった状態に陥ってしまった.......(^^;　　公園の中の土塁(郭)の高さは1.5メートルぐらいの規模のものが２段になっている個所がある。また、道路の反対側の部分に土塁らしきものも残されている、というより放置されているといった感があります。すでに訪れた諸先輩の方々の指摘のとおり、規模の問題も含めて全体としてどこまでが城跡でどこまでが公園の造成によるものなのか非常に判断に苦しみます。　由来についてはほとんど明らかにはされておらず、坂戸市の教育委員会の説明版も複数の「？」の部分があり、どうも鵜呑みにはできないようなので、今後ゆっくりと時間をかけて調べてみるつもりです。坂戸市の歴史民俗資料館が近くにあるのでやっと探せたら休館だったので.......あとで調べてみたら土曜日は午前中のみ開館で、おまけに９月は全部休館でした(^_^;　このあとすぐに3kmほど北西に位置する「塚越城」を訪城。
	郭が二段になっているのが見えるが上段の郭の上には高圧線の鉄塔が設置されていて、その時の工事でかなり現状が変更されているのではないかと考えられる。1段当たり最高でも1.5メートル程度の高さしかない。<<2004/09/18　撮影　晴れ>>
交通アクセス	川越市方向からだと県道256号線団地入り口と表示のある信号を右折、約200ｍ先の右側の公園が大穴城です。

<<2004/08/21撮影>>

	写真に写して様になる個所は少ないが、このあたりのアングルが一番城跡らしく見える。
	電力会社にはうらみは無いけど邪魔な場所に立ててくれました。
	この辺りから見る土塁状のものは公園の工事の時の造成のようにも見えてくる。
	左側(北西側)の半分ぐらいは緩やかに道路に向かって傾斜している。右側は一段高い郭となっている。
	城跡に道路を縦断させた時の切通し工事による残土なのか、土塁の遺構なのか.........。
	このアングルがやはり一番分かりやすい。
	さて、これも問題の遺構。もう一段手前にも土塁状の段差があるが、それはおそらく団地の造成工事によるものであると考えられるが、この奥の土塁状のものが高さ2メートル程度で延長40メートルぐらいありなんとも言えぬ微妙な風景。
	このあたりが切り通し道路の最高地点で1.5メートル程度の段差がある。自転車は放置されたもののようで.......。
	■さて、これが大穴城の説明版ですが、単純な疑問が2点。城域の面積を50㎡というのは多分5000㎡の誤りだと思われる。次に、天正8年(1580年)に直参旗本の本田氏が陣屋を置いたとされているが、この時点では未だ後北条氏の支配が強固な時期であり、当然徳川家は関東には入府しておらず、明らかに後北条氏滅亡後の天正18年の誤りであると思われる。 ■ところが、説明版を訂正するに当たり天正8年を天正18年に訂正すべきところを、何故か正しい方の1590年を1580年に訂正したために来訪者の混乱が生じることとなったと思われる........ほかにこの説明版の解釈があるのだろうか(^^;　後日確認したところ、やはり誤りであるらしいことが判明しましたが。

　

　

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