55 「地学のススメ」(ブルーバックス) 鎌田 浩毅 著 講談社 2017年刊行 980円 (2019/03) 京都大学教授による一般向けの地球科学(地学)の入門書である。「地球史の年代と区分」は各年代における特徴的なできごとを挙げており視覚的に分かりやすく、各論においてもそうした視点が貫かれている。とくにヴェゲナーによる大陸移動説の論拠となった中生代の超大陸パンゲアの化石分布の解説、大西洋の中央海嶺発見のいきさつ、その北端に所在するアイスランド島の地溝帯の存在、生命体の大量絶滅の解説など数々の興味深いエピソードが記されている。
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54 「山はどうしてできるのか」(ブルーバックス) 藤岡 換太郎 著 講談社 2012年刊行 980円 (2019/03) 山のできるプロセスとその成因について、プレートテクトニクスとブルームテクトニクスの観点から分かりやすく記した入門書である。未だプレートテクトニクス論が「トンデモ学説」扱いをされていた時期に、初歩的な「地学」にふれていた自分にとっては、あたかも「目からうろこ」ことは確かである。もっともこうした学説は時として変遷や微修正を繰り返すことも想定されることから、今後も機会があれば最新の学説に注目していきたいと感じた。
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53 「フォッサマグナ」(ブルーバックス) 藤岡 換太郎 著 講談社 2018年刊行 1000円 (2019/02) フォッサマグナは約1500万年前に成立したと考えられている「大地溝帯」とも呼ばれている世界でも稀有な存在であるが、その成り立ちについては謎に包まれている。その西側のラインは明確であるものの、東側についてはフィリピンプレーの移動に伴う伊豆・小笠原弧の北上などの衝突による地殻の変動などの影響により、詳細には解明されてはいないという。また、その成因についてはプレートを生み出す「オラーコジン」(マグマの噴出に伴うY字形の地殻の亀裂)と「房総沖の海溝三重点」の同時期発生によるものという試論を提示している。ただし、この「試論」に関する評価等については今後の推移を注視することが必要であろう。
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50・51・52 「人間臨終図巻1・2・3」 山田 風太郎 著 徳間書店 1996年刊行 1400円 (2016/09) 古今東西の著名人について享年別にその臨終の様子を簡略にまとめた個人伝記集で、1986年から1987年にかけて上下巻で刊行されたものを後に3分冊に分けて再刊されたもの。
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48・49 「人間晩年図鑑1990〜1994」 「人間晩年図鑑1990〜1994」 関川 夏央 著 岩波書店 2016年刊行 1900円 (2016/08) 1990年から1999年にかけて死没した著名人を中心にその晩年の姿を記した作品。その人物と関わる他の人々への言及のひろがりを記すことで、スポットをあてた人物が変遷し、その時代背景が克明に浮かび上がる。
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47 「欽ちゃんの、ボクはボケない大学生」 萩本 欽一 著 文芸春秋 2016年刊行 1400円 (2016/05) 2015年4月駒澤大学仏教学部の大学生となった萩本欽一さんの大学生活の日常を語ったエッセイで、週刊文春に掲載されていた「欽ちゃんのボケないキャンパス珍道中」をベースとして単行本用に再構成したもの。
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46 「ねこの秘密」 山根 明弘 著 文芸春秋 2014年刊行 770円 (2015/05) 家畜としてのねこは、約4000年前の古代エジプトを起源と刷るという通説ではなく、約1万年ほど前にメソポタミア周辺でネズミ対策として家畜化が進められたリビア山猫を起源とするという有力な新説が近年において提示されているという。
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45 「日本史が面白くなる「地名」の秘密」 八幡 和郎 著 洋泉社 2013年刊行 800円 (2015/04) 古代から近世、江戸・東京、京都、廃藩置県の時代、そして平成の大合併に至るまでの様々な地名の由来について興味をひくエピソードを交え平易な文体で記述しているが、その出典は主に地名関連の刊本であり、著者独自の調査によるものは少ないようである。
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44 「一度、死んでみましたが」 神足 裕司 著 集英社 2013年刊行 1200円 (2015/03) まだ50代という働き盛りのコラムニストであった著者は2011年9月にくも膜下出血のため緊急手術を行われるも、その体には半身麻痺及び高次脳機能障害という重篤な後遺症が残った。長期の入院と転院後のリハビリにより筆者の意識は驚異的な回復を見せたが発病による動作の制約に加えてその思考にさえも大きな制約を受ける中で執筆された著作である。
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43 「なぜ時代劇は滅びるのか」 春日 太一 著 新潮社 2014年刊行 720円 (2015/02) 月刊誌「新潮45」に不定期連載されていた「時代劇が廃れた本当の理由」等をベースに大幅に加筆訂正し単行本化された作品である。
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42 「日本列島地震の2000年史」 保立 道久・成田 龍一 監修 朝日新聞出版 2013年刊行 1500円 (2014/12) 17名の歴史学者が語った地震、津波、噴火の日本災害史。
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41 「川はどうしてできるのか」 藤岡 換太郎 著 講談社 2014年刊行 860円 (2014/12) 同著者による「山」「海」につづく、ブルーバックス「地球に強くなる」シリーズ三部作の三作目である。
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40 「東京の地名」 筒井 功 著 河出書房新社 2013年刊行 1800円 (2014/11) 東京都内の地名を題材にしてその地名の語源、由来を推察する論考である。
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39 「地名は警告する−日本の災害と地名」 谷川 健一永 編著 冨山房インターナショナル 2013年刊行 2400円 (2014/10) 住居表示の実施に伴う災害の危険性を内包した旧小字、小名などの歴史的地名の消失は、彼の地における災害の記憶を薄れさせ災害の再発を拱手する結果となっていないのかという警鐘を基本として編纂された著作である。
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38 「大晩年」 永 六輔 著 中央公論新社 2014年刊行 1300円 (2014/09) 雑誌「婦人公論」「週刊文春」「文芸春秋」およびラジオ放送番組などで行われた対談を中心としてを書籍化したもの。対談者は遠藤泰子、黒柳徹子、阿川佐和子ほかの各氏。
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37 「年をとったら驚いた」 嵐山 光三カ 著 新講社 2014年刊行 1400円 (2014/08) 年をとって初めてわかる日常の些事について独特のユーモアを交えて綴られたもの。加齢に伴う体の劣化を楽しむという姿勢に共感しつつもどこか悲しみも感じるエッセイ。
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36 「ふくしまノート」 井上 きみどり 著 竹書房 2013年刊行 838円 (2014/08) 仙台市在住の作者が南相馬市、浪江町、郡山市、相馬市在住の人々あるいは県外避難の人々を取材する形で、人々の置かれているふくしまの今を描いている。
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35 「原発と日本人」 小出裕章/佐高信 対談 角川学芸出版 2012年刊行 781円 (2014/07) 原発と日本人の関わりについて5つの角度から対談したものを纏めたもの。公害等の環境問題を含む広い視点で多くの先人達の業績を語り合う。自分を売らない、騙されていたとの言い訳をしない市民としての自立の必要性を訴える。
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34 「100年後の人々へ」 小出裕章 談 集英社 2014年刊行 700円 (2014/07) 小出氏の原子力に関わってきた40年間の軌跡を述懐し、福島第一原子力発電所事故が如何に取り返しのつかない甚大な原子力災害であるのかを語ったものである。
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33 「猫ピッチャー 1」 そにし けんじ 著 中央公論新社 2014年刊行 800円 (2014/05) 子ネコのミー太郎がプロ野球球団のピッチャーとなって巻き起こす、猫ならではの抱腹絶倒な話題が満載されている。作者は筑波大学出身で大日本印刷勤務を経て漫画家に転進した。
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32 「中級作家入門」 松久 淳 著 角川書店 2014年刊行 1000円 (2014/05) 共著の「天国の本屋」を上梓して一躍世に出たものの、その後がなかなか恵まれない現役作家ランキング100位から200位の間くらいと自嘲する中級作家と自称した作者日々の生き様を記したエッセイ。
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31 「福島原発22キロ 高野病院奮戦記」 井上 能行 著 東京新聞 2014年刊行 1400円 (2014/04) 大事故の発生した福島原発からわずか22キロの広野町に所在している高野病院(医療法人社団養高会)が、移送不可能な患者を残された僅かなスタッフで守り通した迫真のドキュメント。
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30 「さよならタマちゃん」 町田 一義 著 角川書店 2013年刊行 686円 (2014/04) 「精巣腫瘍」の悲しくもほのぼのとした闘病記(コミックス)。抗がん剤の副作用に苦しみ、そして病巣の転移、同室患者の相次ぐ死亡。そして摘出手術の成功、再発防止の抗がん剤治療。
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29 「ストーリー311 あれから3年」 角川書店 2014年刊行 890円 (2014/04) 東日本大震災から3年が経過した。11名の漫画家による被災地の復興に向けての今が描かれているが、被災地の復興の困難性、震災関連死の問題、国および東電の事故責任、そして今も終息の気配さえ見ることのできない福島第一原発廃炉への見通し。
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28 「記者たちは海に向かった」 門田 隆将 著 角川書店 2014年刊行 1500円 (2014/04) 東日本大震災を背景に、福島県の地方紙である「福島民友」の新聞記者たちが体験した、翌日の3月12日版の朝刊を刊行するに至るまでの苦難のドキュメント。
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27 「流星ひとつ」 沢木 耕太郎 著 新潮社 2013年刊行 1500円 (2014/04) 僅か10年間の芸能活動で昭和の歌謡界から引退した藤圭子。全編がインタビュー形式のルポルタージュという特異な手法により、一時代を画した昭和の歌姫のデビューから引退に至るまでの経過が淡々とした時間の流れのなかで語られて行く。そのある意味で心地よい二人の会話は1979年に記されたものとは思えない新鮮で鮮烈な印象をともなって読者を引き込んで行く。
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26 「原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし」 小出 裕章 監修 野村 保子 著 クレヨンハウス 2012年刊行 1200円 (2013/10) 著者は放射線工学の研究者であるが、その反原発的言動からその研究成果にもかかわらず、未だに京都大学の助教(かつての助手)という地位に甘んじています。原子力発電というシステムが如何に未熟で、不安定で危険で、将来に大きな禍根を残す存在であるかについて、小学校高学年から中学生を対象に分かりやすい表現で記されています。一方放射能被害、原発の構造、放射線の種類と特性などの基本的な視点についても要領よく集約されています。この点からは大人向けの原発の入門書ともなりうる内容を伴っているとも言えるでしょう。
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25 「精神科は今日も、やりたい放題」 内海 聡 著 三五館 2012年刊行 1300円 (2013/10) 現在の精神医療のあり方を根本から問い直し、問題を投げかける告発本。取り分け、過剰なな薬物投与による薬害、製薬会社と精神学会などとの利権構造にも論究。一口で言えば、精神医療否定本ともいうべき過激な主張が延々と記されている。子どもたちに対するSSRIなどの抗うつ剤の処方の危険性も指摘。精神疾患そのものの定義についても、より厳密かつ狭義に捉え安易な薬物漬けの精神医療の現在を告発している点では刮目に値する。
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24 「陽だまりの彼女」 越谷 オサム 著 新潮社 2011年刊行 514円 (2013/09) 結末が大切な小説なので結末は敢えて記しません。2013年の10月12日より同名の映画が公開されるその原作本です。
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23 「まさき君のピアノ」 橋本 安代 著 ブックマン社 2012年刊行 1333円 (2013/09) 自閉症と診断された橋本雅生君は、宮城県牡鹿郡女川町で生まれた。雅生君の自宅は港から1キロメートルほど離れた小高い岡の上に立っていました。しかし2011年3月11日の東日本大震災の大津波により女川町は甚大な被害を受け、雅生君の父方の祖母はその姉妹と共に帰らぬ人となりました。
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22 「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」 金子 哲雄 著 小学館 2012年刊行 1300円 (2013/02) 2012年10月に亡くなられた金子哲雄氏の文字通り最期の著書です。
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21 「働く、ということ」 佐藤 仙務 著 彩図社 2012年刊行 1200円 (2013/01) この本の著者は、脊髄性筋萎縮症という10万人に1人という難病に罹患しているため、話すことのほかには僅かに指先を僅かに動かすことなどができるだけであるという。また体の移動には電動車いすを使用し、日常生活を送る場合にも他者の介助を必要とする重度の身体障害者である。
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20 「アスペルガーの館」 村上 由美 著 講談社 2012年刊行 1400円 (2013/01) 著者も述べているように、自分自身がアスペルガーの当事者であり、家族(配偶者)もアスペルガーである。さらに発達障害の人たちをサポートする言語聴覚士(ST)でもあり、これら三つの立場を踏まえたうえで記されているという極めて稀有な著書である。
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19 「アスペルガーですが、ご理解とご協力をお願いいたします」 アズ 直子著 大和出版 2012年刊行 1300円 (2012/12) 「アスペルガーですが、妻で母で社長です」の続編。
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18 「あの人はなぜ相手の気持ちがわからないのか〜大人の発達障害を考える」 加藤 進昌著 PHP研究所 2011年刊行 533円 (2012/12) 著者は精神科医であり、国立精神・神経センター神経研究所所長、東京大学大学院医学系研究科精神医学分野教授、同付属病院長などを歴任し、現在は昭和大学医学部精神医学教室主任教授、同大学付属烏山病院院長の職にある。
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17 「アスペルガーの人はなぜ生きづらいのか〜大人の発達障害を考える」 米田 衆介著 講談社 2011年刊行 1400円 (2012/12) 自閉症スペクトラムのカテゴリーに含まれるアスペルガー症候群。この障害について、成人の場合におけるその特徴を医学的、ないしは心理学的見地から詳細に解説。
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16 「アスペルガーですが、妻で母で社長です」 アズ 直子著 大和出版 2011年刊行 3500円 (2012/11) アスペルガー症候群に加えて注意欠陥障害をかかえている著者自身が、円滑な対人関係を構築するためのノウハウについて分かりやすく解説している。アルペルガー症候群は近年ようやくその社会的理解が進み始めたとはいえ、障害者自身とその周囲の家族を含む人々に十分理解がなされているとは言い難い。
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15 「図解よくわかる大人のアスペルガー症候群」 上野一彦/市川宏伸 共著 ナツメ社 2010年刊行 1500円 (2012/11) 一般に発達障害という場合LD(学習障害)、ADHD((注意欠陥多動性障害)、自閉症などが比較的よく知られている。
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14 「うつ病治療 常識が変わる〜NHKスペシャル」 NHK取材班 宝島社 2009年刊行 1443円 (2009/11) 「うつ病は心のカゼ」との社会的認識の高まりを背景に、乱立するクリニック、過剰な抗うつ薬(SSRI=選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の投与による重篤な副作用の発症事例を一年間をかけて取材し、その社会的警鐘を提起した「ドキュメンタリー番組」(2009年2月22日放送)の内容を元にその後の経緯を付け加え単行本化したもの。
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13 「うつ病の脳科学」(幻冬舎新書) 加藤 忠史 著 幻冬舎 2009年刊行 760円 (2009/10) 理化学研究所総合研究センターにて精神疾患動態研究チームリーダーを務める精神科医・脳科学研究者による著書ですが、図示を伴う説明が皆無であり「脳のメカニズム」の詳細に関する記述については些か難解の感も。
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12 「双極性障害のことがよくわかる本」(講談社健康ライブラリー) 野村総一郎 監修 講談社 2009年刊行 1200円 (2009/10) 日本うつ病学会会長の経歴を持つ精神医学会権威者の「監修」による、大変分かりやすい躁うつ病の入門書で、簡便な症状チェックテスト、遺伝子・成育歴・神経伝達物質の不具合など発病の原因と背景、いわゆる「うつ病」との相違、精神療法を始めとして薬物療法、日常生活の改善など多様な角度から治療していくことの必要性などがイラスト付きで記述されています。
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11 「一眼デジカメ虎の巻」(講談社+α新書) 吉田 繁/蟹江節子 著 講談社 2004年刊行 800円 (2008/03) デジタル・カメラの性能向上により幾分内容が古くなった向きも無くはないものの、撮影対象別にISO、ホワイトバランス露出補正などに始まりフルオートでは撮影できないノウハウが多数記載されています。できるだけ分かりやすく書かれてある筈の一般向けの入門書ではありますが、超初心者である管理人のレベルでは時折専門用語が飛び出し困惑してしまう部分も散見されます。
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10 「護衛空母入門」(光人社NF文庫) 大内 建二 著 光人社 2005年刊行 686円(2007/05) 現在では「護衛空母」という名称が定着している模様ですが、この言葉を聞くと50年近く前の小学生の頃に父親に買ってもらった児童向けの太平洋戦争に関する戦記を愛読していたことを思い出します。当時の曖昧な記憶によると日本海軍では一般に「特設空母」」と呼ばれ、アメリカ海軍のものは「護送空母」と翻訳されていたような...しかし元来は大西洋方面のドイツ軍の航空機・潜水艦からの輸送船団護衛を目的とした艦種だったということも今回初めて理解したような次第。
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9 「幻の航空母艦」(光人社NF文庫) 大内 建二 著 光人社 2006年刊行 905円(2007/05) 計画だけで終わったもの、建造の途上で中止されたもの、艦載機の開発の歴史など多岐にわたる内容で航空母艦の時代の幕開け当初、いまだその役割が明確化されていない時代から第二次大戦後までの表舞台で活躍することができなかった数々の航空母艦のエピーソードが満載されています。それだけに各テーマの掘下げ不足が気になるとともに内容も些か散逸気味となり通読しづらい印象が拭えず、不本意ながら奥の手として拾い読みをする結果となりました。
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8 「鎮守の森」 宮脇 昭 著 新潮社 2000年刊行 1300円(2006/09) 鎮守の森の自然植生に学ぶ「植物生態学」の入門書。 植物にとっては「最高条件」と「最適条件」があり、ある程度、生育条件上の競争が存在(最適条件)する方が、却ってその植物としての植生競争力を高めて成長を活性化させるという事例・法則性が存在するとのこと。これに対して「最高条件」の環境下では、却って成長の阻害、枯れ死を早める事例が散見されるとのこと。
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7 「日本人のしきたり」 飯倉 晴武 編著 青春出版社 2003年刊行 700円(2005/03) 正月行事、年中行事、冠婚葬祭のしきたりなどについて一般向けに平易に解説した内容となっている。200ページの新書サイズに多くの内容を詰め込んでいるため、その解説は全体として大まかな内容となっている。正月行事と年中行事だけに絞ってもらうと読み応えがあるかもしれない。逆にいえば殆ど引っ掛かりがなくさらりと読めてしまうという点がプラス面ということに。
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6 「日本の神社が分かる本」 菅田 正明 著 日本文芸社 2002年刊行 705円(2005/01) 有名神社95社の縁起・祭神・ご神徳について書かれている。交通アクセスも掲載されている。一般向けに書かれた内容であるが、神霊学的な色彩も垣間見られるので純粋に民間信仰としての宗教学、民俗学的な解説を期待してしまうと、やや読んでいて辛いものを感じる。
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5 「神社と神々 知れば知るほど」 井上 順考 監修 実業之日本社 1999年刊行 1300円(2004/12) 本社・本宮など著名な神社25社と伊勢神宮の詳しい紹介、生活に結びついた七福神、荒神、牛頭天王、庚申振興、屋敷神などの解説、さらに神社に祀られることとなった著名人だけではなく、義民といわれた佐倉宗五などに対する信仰も含め歴史上の人物についても収録されており大変分かりやすい記述が特徴。
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4 「日本人なら知っておきたい神道」(河出夢新書) 武光 誠 著 河出書房新社 2003年刊行 720円(2004/12) 神道の原点、八百万の神々の世界、日本史の中の神道、宗教施設としての神社、祭祀と参拝の作法など多岐にわたり平易に解説している。神社、神道が様々な形態で人々の心の拠りどころとして現代に継承されていることが見えてくる。
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3 「神社の見方」(ポケットサライ) 外山晴彦・「サライ」編集部編 小学館 2002年刊行 1200円(2004/12) 神社についてその視覚的な構成要素からビジュアルな分かりやすい解説がなされている。鳥居、注連縄、狛犬、眷属、灯篭。手水舎、拝殿、本殿、拝礼の方法、摂社・末社、建築様式などにいたるまでが僅か160ページに凝縮されている。宗教的対象としての捉え方ではなく身近な歴史的・伝統的存在としてアプローチしており神道に特別関心がない人にもお勧めの入門書。
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2 「日本の神々と仏」(プレイブックス・インテリジェンス) 岩井宏實監修 青春出版社 2002年刊行 700円(2004/11) 中世の城跡めぐりをしているもので、必然的に神社・仏閣と遭遇することが多くなる。城館跡に祠、社寺が同居しているのけっしては珍しいことではない。ならば城館の全体像を理解するに当たり、近世の檀家制度により変質しているとはいえ、関係者の菩提寺であったり、その地域の人々の信仰、心の拠りどころであったそうした社寺などのことについて何も分からないのではちとまずい。あくまでも一般的な入門書ですが、読んでみるとこれが結構面白い。決して信仰を押し付ける立場の本ではなく、一定の距離を置いて信仰を民俗学的に扱った本なので。
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1 「旧暦で読み解く日本の習わし」(プレイブックス・インテリジェンス) 大谷光男監修 青春出版社 2002年刊行 700円(2004/11) 仕事柄、旧暦についての余りの知識の乏しさに、一般的な入門書はないものかと探してとりあえず通読...うーむ、益々分からなくなってきたというのが率直な印象。
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