水房館　小山館　中世城館　城跡　城址　埼玉　武蔵

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水房館（小山館）

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　2005/03/21の日記　菅谷館　杉山城　山田城　羽尾堀の内　

おすすめ評価

訪城季節２　遺構状態５　探し易さ３　交通利便３　体力消耗３　歴史経緯１　印象２　総合１９

所在地

埼玉県比企郡滑川町大字水房字小山ノ台４７０他

歴史と沿革

■「新編武蔵風土記稿」にも伝承などの記録もなく、「小山ノ台」の小字名から、鎌倉期の豪族小山朝政の居館の可能性を想起するものの、「町史」によれば、小山氏関係の史料からはそのことを立証する史料は見つからなかったという。
　従って、築城年代、築城者ともに不祥とのことである。

確認できる遺構

郭状の平場、腰郭

構造的特徴および
周辺の地理的特徴

■杉山城、越畑城のある細長い丘陵地帯と市野川の支流を挟んでほぼ北西から南東の方向に平行に延びる通称二ノ宮丘陵の南東の端に位置する。標高87メートル、比高35メートルの規模を有する。
　西2.2㎞に杉山城、南西2.8kmに菅谷館、東2.3㎞に羽尾館、北東2.8kmに山田城が所在する。標高が低いため眺望は南側に限定される。なお、「町史」などによれば土塁・空堀・小口などの遺構は確認することができないとのこと。また、城郭内に13ほど所在するという塚も藪がひどく確認していない。

参考資料、古文書、
記録

「中世北武蔵の城」（梅沢太久夫　著　2003/岩田書院刊）
「滑川村史」（1984/滑川村編集発行）　

文化財指定

無

訪城年月日

2005/03/21

訪城の記録

（　2005/03/21　）
■お近くにおいでの時はお立ち寄りを
　関越の下を潜ると左側に地区の集会所の建物が見えます。この場所に車を止めさせていただいて、その西側にある緩やかな坂道を登りコンクリート製の階段のある場所から館跡へと進みます。郭跡らしき平場と、南側の腰郭のような遺構を確認できる以外には、土塁や空堀などのこれといった遺構は見当たりません。また、登口も含めて現地には全く何の説明標識も無いので、本当にこの場所でよいのかどうか不安が残り何度も資料で確かめたくらいです。
　泉福寺付近の遺構のついでに立寄る分には良いのですが、態々これだけのために出向くことをお奨めするのは些か気が引けてしまいます。また、夏場はいかにもやぶ蚊がうようよと居そうですので、見通しの問題も含めて落葉の時期限定であると思われます。

Ｂｅｓｔ　Ｓｈｏｔ？

　水房館の登口の峠の手前東側から見た全景。写真からも分かるように、樹木の成長の関係で城郭跡からの展望は南側の一部を除いて殆どありませんが、当時は南東方向に伸びる鎌倉街道の枝道を眼下に見下ろしていたと推定できます。
　(　2005/03/21　撮影　晴　)

交通アクセス

・東武東上線武蔵嵐山駅より徒歩25分ぐらい　MapFan Web の案内図です　　

・ゼンリンのいつもガイド⇒　

（　2005/03/21　撮影　）

■県道173号線を北上して関越自動車道の地下道を潜り、市野川に架かる橋を渡ると100ｍ先の左側にこの゛水房集会所」があります。
　この集会所の場所さえ分かれば、水房館には間違いな辿りつけますが、普通の民家の玄関先に看板がかかっているだけですから、集会所だからといって大掛かりな公共施設をイメージすると行き過ぎますので注意が必要。県道が峠を越えるために大きく右にカーブする手前にあります。

■左の集会所の前の道を集落の方に向かって西側に150ｍほど進むとこの丁字路が見えますので、水房館への道はここで右折して緩やかな坂を上ります。もちろん案内標識などは全くありませんが。

■右折する丁字路の手前から水房館の主郭部分が見えます。写真に写っているのが水房館への上り坂です。
　また写真の民家の裏側あたりから登る道もあるようですが、迂回してもたいした距離ではありませんので、この道を行った方がご迷惑もかからないので良いではないかと。

■200ｍほど緩い上り坂を進んでゆくとこの階段のある峠に出ますので、コンクリートの階段のあるところを左折して山道に入ります。なお、この道を直進すると、すぐ下り坂となり「おおむらさきゴルフコース」のゴルフ場の南側にでます。
　この辺りは以前は通称二ノ宮丘陵と呼ばれる低山ハイキングのコースで、標高131.8ｍの二ノ宮山はゴルフ場の北側に健在なようです。

■水房館東側の山道の脇に所在していた建立年月不祥の近世の「庚申塔」。

■左側から来る山道を150ｍほど幾分登ってくると、この主郭の北側の分岐に到達します。
　ここを左(写真正面の道)に折れると水房館の主郭の中心に向かいますが、そのまま直進すると小山の台と呼ばれる平坦地にでます。

■主郭のほぼ中心の位置に所在している嘉永５年(1852年)と刻まれた稲荷社の祠。
　主郭部分の広さは南北100ｍ、東西60ｍほどの規模です。

■南側の腰郭の辺りから主郭を撮影したものの、画像に比高差が殆ど反映していません。
　それでも一応2.5ｍから３ｍほどの比高差があるのですが。

■腰郭状の遺構は二段構えになっていますが、これはたぶん上の方の腰郭部分です。右側の斜面に主郭部分の切り落し跡が見えます。この近辺以外にはこの時期であるにもかかわらず藪が多く、地形の状況が非常に掴みにくい状況です。

■麓の民家入口脇の馬頭観音二体。左側のものは明和２年（1765年）と刻まれているのを確認できましたが、右側のものは風化が進んでいて全く判読できませんでした。
　石像の頭の部分に馬の頭の形をしたレリーフのあるのが特徴です。


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