栗崎館　中世城館　城跡　城址　埼玉　武蔵

CGI


			工事中
PAGEの先頭	PAGEの最後	管理人へmail	工事中

アクセスありがとうございます。　　　　　素人の趣味ですので不備や間違いなどが相当にあると思います。　　　　　もしお気づきの点がございましたらご指摘ください。　　

栗崎館

関連ページのリンク

　2005/05/25の日記　本庄城　皿沼城　庁鼻和城　五十子（陣）城　　　　　　　　　

おすすめ評価

訪城季節３　遺構状態５　探し易さ４　交通利便５　体力消耗５　歴史経緯２　印象２　総合２５

所在地

埼玉県本庄市栗崎字堀ノ内２５付近

歴史と沿革

■児玉党の本宗家の館
　軍配団扇を家紋とした遠峯維行を始祖とすると伝えられる武蔵七党の児玉党は浅羽氏、入西氏、高坂氏、秩父氏、小代氏など５０家以上もの庶流を輩出して各地に勢力を広げました。「本庄市史Ⅰ」第９章児玉党の記述の中では、その本宗家の館としてこの栗崎地内の「堀ノ内」と呼ばれる一帯を推定しています。「堀ノ内」と呼ばれる区域は中心部の１００ｍ四方の場所を指すとのことで、それはちょうど内堀のある内郭部分に相当するようですが後世の埋め立てなどにより堀跡の確認をすることはできませんでした。
　また「同史」によれば、この館は時代は下って応永23、24年（1416から1417年）の上杉禅秀の乱の当時には西本庄氏の居館であったと推定し、その後、本庄城を築城した本庄宮内少輔実忠に関東管領上杉憲政から河越合戦の功により知行されたとしています。なお、児玉党関連の館跡については本庄市内には、このほかに少なくとも数個所程度は所在していた模様です。

確認できる遺構

堀、土塁

構造的特徴および
周辺の地理的特徴

■館跡は本庄台地と妻沼低地の境付近に所在し、北に男堀川、南に小山川が東流し西側には標高100ｍを超える大久保山を含む独立した浅見丘陵の地帯を配しています。ただ、この丘陵地帯からは栗崎館跡が殆ど一望にできるので、少なくとも15世紀以降の時代にはこの丘陵地帯にも何らかの備えが必要となると考えられるのですが。また、館の周辺は南北二つの河川の水利による水田地帯が広がっていたものと考えられます。
　なお、西側の堀跡の規模から推測しますと東西南北それぞれ200ｍを超える規模ではなかったかと考えられ、北側と西側には更に大きな二重堀のような地形の一部が遺されているように見えたのですが。なお、「本庄市史」では100ｍ四方の内郭の存在を示していて、現在遺構がはっきりと残っている外郭部分と合わせて小規模な二重堀の構造を示唆しています。またさらに、館の周辺は鎌倉街道の枝道や寄居方面へ続く古道が通過するという中世の交通の要衝でもあったようです。

参考資料、古文書、
記録

「中世北武蔵の城」（梅沢太久夫　著　2003/岩田書院刊）
「本庄通史　Ⅰ」（1989/本庄市）児玉党についての記述が200頁前後に及ぶ。
「本庄通史　Ⅱ」（1989/本庄市）
「紀要　創刊号」（1986/本庄市歴史民俗資料館）
「本庄市のＨＰ」　　　　

文化財指定

無

訪城年月日

2005/05/30

訪城の記録

（　2005/05/30　）
■西側の堀跡がなかなか
　本庄氏が本庄城に移る前の本拠地の一つと推定されている館跡で、とりわけ外郭に相当する西側の堀が予想以上によく残されていました。現在は幅約８ｍから12、13ｍ、深さ40センチほどのかつては水田をかねたと思われる浅い空堀跡になっていますが、以前においては水田の水路もかねたような水濠であったと考えられるのではないかと思います。
　また、北西側外郭の一部に堀に沿った土塁と思われる地形を認めることができますが、季節的にヤブが酷く民家の敷地内でもあり外側からの観察にとどまりました。なお、よく気をつけないと畑と藪の間の叢に細いけれども深さ１ｍぐらいの水路もあったりして、下手に踏み込むとえらい目にあうので要注意です。
　館跡の規模は北側と西側の遺構の状況から判断する限りでは、およそ200ｍ四方以上の規模に及ぶともの思われました。

Ｂｅｓｔ　Ｓｈｏｔ？

　外郭西側の堀跡遺構の南端部分。
　ありがたいことにこのように大変よく手入れをされていますので、さてと遺構らしきものは．．．などとあたりをウロウロすることもなく、初夏の季節にもかかわらず堀跡の輪郭も分かりやすくてとても助かりました。
　堀跡自体は非常に浅くはなっていますが、形そのものはしっかりと遺されているようで幸先のよい訪城となりました。
　(　2005/05/30　撮影　晴　)

交通アクセス

・ＪＲ高崎線本庄駅より徒歩３０分、県道31号線と上越新幹線が交差する北側。車の場合には100ｍほど北側の県道31号線沿いの北泉公民館の駐車場に止めさせてもらうのが良さそうです。
MapFan Web の案内図です　　

（　2005/05/30　撮影　）

■栗崎館の西約500ｍに所在する庄太郎家長が勧請したと伝えられる金讚神社の由来の書かれた説明版。この裏山には埴輪の窯跡も所在するそうで、いかにも歴史の古さを今に伝える佇まいを見せています。また、館の西側にあり、丘陵からはその全容を見通すことができるので、何らかの密接なかかわりを感じます。なお、南西には本宗家の菩提寺の宥勝寺が所在します。

■金讚神社の正面からの様子。
　神社の所在する場所は標高112メートルの大久保山を含む浅見山丘陵で、現在早稲田大学関係のキャンパスとなっているその丘陵地帯の東の端に位置しています。このため、神社の境内の裏側はその丘陵地帯に続いており男堀川の低地とは標高差が30mも近くあります。また、左記の通り栗崎館の西側を覆う形となっており、この神社の三段の段築も含めてたいへん興味深いものがあります。

■神社の境内は小規模ながらも、このようにはっきりと３段の水平面が構築されています。

■外郭に相当する西側の堀は土橋のような通路で南北に分かれていますが、あくまでも見た目の話ですが、保存状態は北側に行くほどよくないように思われました。

■館跡の外郭に相当するものと思われる北側部分で、農地との間に細い水路が流れています。

■左の写真よりももう少し西よりの北側部分の様子で、右側に小さく見えている家屋が左下の写真の家屋です。

■田んぼの畦の形状が更に大規模な二重の堀跡を思わせるように思えるのですが、素人の勝手な思い込みかもしれません。
　明治期の古い地籍図などが、あればおよその範囲を推測できるのではないかと考えるのですが、当然市史の編纂に当たりその程度のことはすでに確認済みだとは思いますけど。

■茂みの中に土塁らしき姿が見え隠れしているのですが、冬季ならいざ知らず初夏のこの時期ではデジカメといえども画像になりません。
　また接近しすぎると足元の叢の中に深さ1ｍほどの用水路が流れているので注意が必要です。「市史」によれば、このあたりの民家に２基の天文12年（1543年）の宝篋印塔が遺されているとのことでした。


	工事中	PAGEの先頭	PAGEの最後	ご感想はこちらへ	工事中