塚越の構堀屋敷

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	塚越の構堀屋敷
関連ページのリンク	2004/12/12の日記　塚越の住吉館　小島氏屋敷　塚越の明泉館　西光寺の塚越城
所在地	埼玉県坂戸市塚越八日市場1010付近
歴史と沿革	「坂戸市史」によると「塚越の構堀林氏屋敷」とされている。「同史」によればこの地に居住されている林家は後北条氏の家臣松山衆の後裔であるとの伝承を有し、元和年間の塚越村検地帳を所蔵し、中世の戦国期から土着した旧家である可能性を示唆している。　屋敷の周囲を廻る構堀については近世の掘削と推定し、同家墓地の墓碑には長禄元年（1457年）、天文5年（1532年）の没年が刻まれているという。なお構堀については、「埼玉の中世城館跡」や下記の梅沢氏の著書などでは戦国期のものとしている。
確認できる遺構	土塁、空掘
構造的特徴および地理的特徴	・周辺の中世城館としては勝呂氏との関係が窺える塚越の住吉館（東南東300ｍ付近）、西光寺周辺の小島氏関係の遺構（北東700ｍ付近）、塚越の明泉館（東北東800ｍ付近）などが所在している。・坂戸台地の北端までは約1kmあり、見通しは殆どないといってよい地形である。
参考資料、古文書、記録	「坂戸市史」(1992年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸の歴史--坂戸市文化財ガイド」(1992年坂戸市教育委員会編集発行) 「坂戸市史--中世資料編1」(1987年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸風土記--坂戸市史調査資料第１号」(1978/坂戸市教育委員会発行) 「中世の坂戸」（1996年坂戸市教育委員会編集発行）「中世北武蔵の城」（梅沢太久夫　著　2003/岩田書院刊）「坂戸風土記--坂戸市史調査資料第１５号」（1989年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行）「坂戸市史中世資料編Ⅱ」（1980年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行）
文化財指定	無
訪城年月日	2004/09/30訪城 2004/12/12再訪城　この頁の記録は再訪城時のもので、9月の時の記録は塚越の住吉館の頁に記載してあります。

訪城の記録

(2004/12/12)
■独立した遺構なので
　2004年9月に訪城したときは、塚越の住吉館の遺構の付け足しのような形でまとめましたが、「埼玉の中世城館跡」「坂戸市史」などでも、当然のことながら別の遺構として取り上げています。したがって再訪城を期に別の独立した遺構としてまとめなおしました。それにしても、坂戸市の塚越と川島町を結ぶ県道269号線沿いにありますので、車で通過してもかなり目立つ遺構です。
　県道沿いの南側の構堀は幅約3間深さ、2ｍ以上、東西方向に伸びる延長距離は100ｍ以上はあります。
　また、屋敷裏の空堀も下記の写真のようになかなかの規模ですが、あくまでも見た目の範囲ではこの遺構とほかの地域の畦堀との区別がかなり難しいように思うのですが。

　少量の自然の湧水に加えて周辺の雨水も流れ込むようで、しばらく降雨がなかったにも拘らず、清澄に鏡面のような水を湛えていました。
　県道沿いの屋敷の南側の構堀を撮影したもので東寄りの先端部分が左（北側）へ90度屈曲し、構堀は下記の写真へと繋がっています。
　雛人形店の野立て看板はそれなりに目印にもなるので、敢えてトリミングしていません。
　<<2004/12/12　撮影　曇>>

交通アクセス

　塚越の交差点から県道269号線を東へ。約350ｍ先の左側(北側)にあり、構堀に沿って転落防止を目的としたと思われる白いフェンスが歩道脇に付設されており、車で通過しても直ぐに分かるぐらい目立つはず。

(2004/12/12　撮影)

・屋敷の東側の構堀。南側に緩い傾斜がかかっているため、水は中ほどで無くなっていた。前回の訪城のときとは異なり、夏草がないので形状・規模が分かりやすい。この部分で、堀幅約2間、深さ約2ｍ、延長は南北に100ｍほどの規模。

・県道沿いの南側の構堀の西寄り部分を撮影。屋敷の西側にはこの構堀に続く空堀の痕跡のような窪みが、北側に向かって僅かに残されているがよく観察しないとまず気がつかない。

・屋敷北側の空堀。幅約2間以上、深さ1.5ｍ前後、延長80メートル程度でさらに東西に伸びている。
・東側の空堀はそのまま東隣の畑の境に続いている模様。

・屋敷北側は鬱蒼とした竹林となっており、左の写真の空堀は規模を狭めながら、畑との境を30ｍ位ずつ西進、北進、西進とクランク型に折れ曲がり、やがて消滅している。

・屋敷北側の竹林とクランク状に折れ曲がる空堀。このあたりは竹林と畑の境界ということもあり、畦堀の可能性もありそうな感じもする。


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