住吉館（塚越館）　中世城館　城跡　城址　埼玉　武蔵

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	住吉館（塚越館）
関連ページのリンク	2004/09/30の日記　塚越の構堀屋敷
所在地	埼玉県坂戸市大字塚越小字南八日市場
歴史と沿革	■口承では現在も周辺に居住されている水村氏の先祖が築いたとも言われているが詳細は不詳、鎌倉期の勝氏一族の館跡と考えられると「坂戸市史」は伝えている。 ■「坂戸市史」では、「塚越の住吉中学校西脇館」と随分と具体的で味気ない呼称になっているので、ここではとりあえず便宜上「住吉館」とさせていただいた。「埼玉の中世城館跡」では大字塚越八日市場「塚越館」としている。この呼称では西光寺の塚越城と紛らわしい。また、この館についての記録・古文書の類も発見されていない模様。
確認できる遺構	土塁、空掘
構造的特徴および周辺の地理的特徴	■坂戸市立住吉中学校の西側約100ｍの位置にある平地林の中に長大な土塁がよこたわっている。多少西から東にゆるい傾斜があるものの、全くの平坦地に近く長さ南北約150ｍ以上にも及び高さ2メートルから3ｍの規模を有する土塁が存在する。　、また、空堀と見られる遺構が土塁の東側の大半と西側の一部に残る。土塁と空堀という違いはあるが、此処から南1kmのところに大堀山館の城館群がありその直線的なつくりが印象を酷似させているので、何らかの関連があるもの考えても良いであろう。
参考資料、古文書、記録	「坂戸市史」(1992年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸の歴史--坂戸市文化財ガイド」(1992年坂戸市教育委員会編集発行) 「坂戸市史--中世資料編1」(1987年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸風土記--坂戸市史調査資料第１号」(1978/坂戸市教育委員会発行)
文化財指定	無
訪城年月日	2004/09/30、2004/12/12
訪城の記録	(　2004/09/30　) ■全く無名の館跡ですが、前回塚越城訪城後に坂戸市史を見たことから訪城することに。土塁の残る北側に現在もこの地に居住されている水村一族の方の古い墓石があり、改修された墓碑には「水村伊勢守源義信一門の霊」と刻まれているが、この館跡とのかかわりについては伝承の域を出ないらしいということです。しかし、とにかく土塁の規模の大きさに一瞬圧倒されます。宅地裏に続く私有林の中なので表の県道269号線からは全く想像ができません。一見して普通のどこにでもあるような平地林です。ただこの時期はまだ藪が酷くて、おまけに台風の後の足回りの悪いこともあり、宅地裏の私有林でもあり外側からだけ拝見してきました。贅沢ですが、説明版があれば。小さくても良いから。往時のままの原形をとどめているという意味で坂戸市内では第一級品だと思いますが、特に文化財などの指定もないようなので、いつまでこの状態が保持されているかが気にかかります。　また、県道269号線沿いの民家の構堀は前回このあたりに来たときすぐに目に付いたので、県道側から撮影させていただいた。
	林に沿って南北に土塁が続く塚越の住吉館、西側からの遠景。手前の畑の中の溝が気になる所ですが、新しそうなものなのですが畦堀にしては付近に林が無く、農業用水にしては周辺に水源が無いので、さてどういう施設なのでしょうか。（2004/12/12　撮影）
交通アクセス	県道269号線沿いの坂戸市立住吉中学校の西側約100メートルにある平地林を目指す。

(　2004/09/30　撮影　)

	左側の林が土塁で、右側は畑となっており、間に深さ1メートル、幅6メートル程度の空堀跡が残る。畑側が内郭と思われる、たぶん......。( 2004/09/30　撮影　晴れ ) 　この空堀状の遺構は「坂戸市史通史編Ⅱ」の記述によれば、どうやら後世の「アゼッ堀」という雑木林の樹木の根が畑側に侵食するのを防ぐもためのものである可能性が高そうである。( 2004/11/23追記 )
	土塁と空堀状の遺構は30メートルほど南でこのように東側に90度に折れ、15メートルほど進んだ撮影位置のあたりでまた南に向かうが、いずれにしてもこの季節は雑草と木々が生茂り中には入ることは難しい。
	西側の農道の方から見た土塁で、かえってこれだけ草木が茂っているので崩壊しないようだ。このあたりで2.5メートル程度の高さを有する。肉眼だともっとはっきり見えるんですけど......(^^)
	西側の農道の反対側に一部残る堀跡らしきもの。農業用水にしては必要以上に深すぎるので、位置関係からしても水堀の可能性が高そうであるが、「坂戸市史」には記述されてはいない。
	「坂戸市史」によれぱ、「塚越の構堀林氏屋敷」大字塚越1010番周辺　と記され、堀自体は近世の掘削と推定されるとしている。　「埼玉の中世城館跡」では「構堀屋敷」大字塚越八日市場1020で戦国末期の遺構としている。　写真は県道269号線沿いの構堀。白い防護フェンスの左側が県道。「住吉館」から県道269号線を西に200ｍほど行った右側にある。
	先ほどの堀が90度曲がり屋敷奥へと続いている。手前の県道からよく見えるので前回の時にチェックしてあった場所です。
	(2004/12/12　撮影) 　季節が変われば何とか見えるような感じになりました。手前にあるから堀跡の底部からは、確かに優に３ｍを超える高さとなります。

　

　

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