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城館跡の名称
関連ページのリンク  2006/03/31の日記 小澤館 小鹿野氏館・御陣屋
おすすめ評価
訪城季節3 遺構状態1 探し易さ5 交通利便4 体力消耗5 歴史経緯1 印象3 総合22
所在地
埼玉県小鹿野町長留2842
歴史と沿革

板倉大炊の屋敷跡との伝承があるものの
 「増補秩父風土記」によれば秩父郡長留村の項に「御林平殿林番戸などと云うところあり、萱ヶ場、板倉大炊居跡」と記され、同様に「新編武蔵風土記稿」では「屋敷跡 村の南に猪涵場御林山のあたりなり、一に殿林という、古へ板倉大炊なるもの此所に住し、近在までも知行せしが、故ありて没収せられしものと土人いい伝う、御打入の頃(天正18年の家康の関東入国)にもありやなど云う、その事跡を知らず、今は松林となりて、方二町余の地あり...」などと記されていますが、長留館とのその関連性も含めて事実関係の詳細については不明の模様です。
 「戦国人名事典」(2006/吉川弘文館 刊行)によると、徳川家の家臣三河の板倉氏とは別の慶長年間安房里見氏の重臣に板倉大炊頭康景という人物の存在が記されているものの、当地との具体的な関わりが見えてはいないようです。

確認できる遺構
なし
構造的特徴および
周辺の地理的特徴

■秩父地方にはその形式を見ることが多い河川の合流個所付近に所在する中世の館跡の一つ。長留川とその支流の合流点の蕨平という地名が残されている辺りが館跡かと思われます。付近には現在でも「番場」「屋敷平」「番戸原」「旗居」などの中世城館との関わりのありそうな地名が残されています。しかし、自然地形の河岸段丘が所在する以外には遺構は存在しない模様でした。

文化財指定
訪城年月日
2006/03/31
訪城の記録

( 2006/03/31 )
Y字路の交差点付近
 秩父地方にはその形式を見ることが多い河川の合流個所付近に所在する中世の館跡の一つ。長留川とその支流の合流点の蕨平という地名が残されている辺りが館跡のもようです。付近には現在でも「番場」「屋敷平」などの中世城館との関わりのありそうな地名が残されています。しかし、自然地形の河岸段丘が所在する以外には遺構は存在しない模様で、表面上は走行する車に注意を払いつつ二差路の幹線道路の景色を撮影するという、いつものことながらやや無味乾燥な訪城のなりゆきとなりました。しかし、そうしたなかにも在地領主階層と推測される営みの拠点であったことを考えると、ごく普通の川縁の竹林さえも具体的な意味を帯びてくるようにさえ見えてくるので不思議なものです。

記念撮影



 正面に見える低山の麓から手前の交差点付近の宅地部分を含む一帯が館・屋敷跡ではないかと思われるのですが、平日の午前中であるにもかかわらず意外と車の通行量が多く信号待ちの車列が発生したりして思いのほかデジカメ撮影に難航。
 しかしこれはどう見ても撮影の理由を知らない人が見れば、交差点での交通事故の現場写真撮影のような事態に酷似しているのかも...

( 2006/03/31 撮影 晴れ )
訪城アルバム
■1■付近の河岸段丘
 館跡付近の長留川支流の河岸段丘で、それほど大きな川でもありませんが谷の深さは8mから10mほどありました。館跡と推定されている地帯の東側を流れていることから事実上水堀の役割を果たしていたとも思われたのですが。
■2■長留館付近の遠望
 県道43号線より遠望したもので、写真の手前の部分を長留川の支流が西流し400mほど北西で長留川の本流と合流しています。この地域に中世城館が所在していたと考えるだけで、ごく普通の右手に見える川縁の竹林さえも具体的な意味を帯びてくるように見えてしまうので誠に不思議なものです。
交通案内

・県道43号線と209号線の三叉路交差点付近
いつもガイド の案内図です 地図サイトいつもガイド 

凸参考資料
「中世北武蔵の城」(梅沢太久夫 著 2003/岩田書院刊)、
「埼玉県史 通史編2中世」(1988/埼玉県)、
「新編武蔵風土記稿」(1981/雄山閣)
「武蔵国郡村史」(1954/埼玉県)、
「角川日本地名大辞典11埼玉県」(1980/角川書店)
「秩父郡誌」 (1972/秩父郡教育会編)大正13年出版の復刻本)
「中世の秩父」(2001/秩父地区文化財保護協会)
「秩父志」および「秩父風土記」(「埼玉叢書」の国書刊行会より出版された復刻本より)
「角川日本地名大辞典11埼玉県」(1980/角川書店)
「秩父の文化財」(1990/秩父郡市文化財保護協会) 

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