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城館跡の名称
関連ページのリンク  2005/09/26の日記  塩館 泉福寺館 三門館(和泉陣城)
おすすめ評価
訪城季節3 遺構状態4 探し易さ5 交通利便4 体力消耗5 歴史経緯2 印象2 総合25
所在地
埼玉県大里郡江南町大字塩字塩前420
歴史と沿革

要路沿いの高台に所在する館跡
 比企郡小川町から熊谷方面に抜ける往還沿いに所在し、東側の和田川沿いの水田地帯を一望する地点に所在していることと、確認されている板碑などの年代から鎌倉時代末期、南北朝時代、戦国時代において、この館が周辺の土地の支配に関して一定の役割を果たしていたであろうことは間違いのないところです。しかし、それ以上の歴史的な背景については不詳のようです。ただ、北方2キロメートルほどの位置にある丘陵地帯には深谷上杉氏関係の城館と思われる遺構もありますので、そうした関係もあるように思います。

確認できる遺構
土塁、空堀?
構造的特徴および
周辺の地理的特徴

■天台宗常安寺の本堂の北側境内に東西方向およびその西端から直角に南の方向にそれぞれ30mほどの土塁跡が遺されています。館跡全体として下の写真のように県道側から南側にむけて緩い傾斜がかかっています。また西方約250m付近に所在する塩館同様比企丘陵の北端に位置しています。

参考資料、古文書、
記録

「中世北武蔵の城」(梅沢太久夫 著 2003/岩田書院刊)
「新編武蔵風土記稿」(1981/雄山閣)
「武蔵国郡村史」(1954/埼玉県)
「角川日本地名大辞典11埼玉県」(1980/角川書店)
「江南町史 資料編1考古」(1995/江南町)   

文化財指定
訪城年月日
2005/09/26
訪城の記録

( 2005/09/26 )
のどかな田園風景が眼前にひろがる
 塩館方面に向うときに直感的に何かありそうな雰囲気のあった県道沿いの場所でした。常安寺の境内の本堂南側県道沿いの場所に土塁などの遺構が所在しています。館跡は南側の緩斜面に位置し比高差5mほどの南側の低地には稲刈り直前の水田が広がっていました。竹林の中は思いのほか日差しが入り込み見通しがよいのですが、土塁については一応確認できるものの後世に大分改変されている様子も見受けられます。また、資料によるとその周囲に広がる堀跡の存在していることになっていますが、長年の竹林の落葉などが積み重なり表面的には殆ど分かりませんでした。
 さて、彼岸明けということもあるのでしょうか、境内に所在する5体の地蔵尊には季節の野菊が手向けられていました。また、そこかしこでヒガンバナが咲き乱れ、この場所では薮蚊や蜘蛛の巣に行く手を阻まれるようなこともなく、平穏でのどかな秋の昼下がりを満喫することになりました。

記念撮影

 南側の水田の所在する低地から眺めた常安寺館の遠景。土塁の所在する辺りはこの撮影地点より5メートルほど高くなっています。
 
( 2005/09/26 撮影 晴れ )
訪城アルバム
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■1■
 常安寺本堂と西側の竹林。竹林の周囲には溝状のものが見受けられますが、恐らくは畑側への竹の根の張り出しを抑える後世の根切りのための畦堀のように思われます。
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■2■
 西側の土塁跡で、左側の方に小口部分と思われる土塁の切れ目があるのですが、写真にすると殆ど訳が分からなくなってしまいました。西側の竹林側からみた土塁跡の高さは1m前後というところです。
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■3■
 西側土塁の南側の端にはこのように高さが1.5m程度でだいたい4m四方の方形の場所があるのですが、どのような役割が存在したのでしょうか。また、資料によれば以前は文明年間(1469から1487年)の板碑が存在していたようですが見当たりませんでした。
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■4■
 北側の土塁跡は下の「5」の写真のような無縫塔形式の歴代住職の物と思われる墓石や板碑などが存在しています。
 
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■5■
 資料によるとたぶん元亨年間(1321から1324年)と貞和年間(1345から1350年)の板碑かと思うのですが。
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■6■
 本堂側から見た西側の土塁跡。こちら側から見ると土塁の高さは人の背丈以上のところもあります。 
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■7■
 彼岸明けと秋のうららかな陽気も手伝って常安寺境内の墓地には墓参する方が多く、幾分肩身の狭い思いをしながら五体の地蔵尊を撮影させていただきました。秋の日差しを背に受けた地蔵には野菊が手向けられ、ほのぼのとした味わい深い光景のひとこまでした。
交通アクセス

・塩八幡バス停より東へおよそ200m県道11号線沿いの常安寺境内 
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