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花園城
関連ページのリンク  2005/03/28の日記  鉢形城  花園御嶽城
おすすめ評価
訪城季節3 遺構状態7 探し易さ5 交通利便4 体力消耗3 歴史経緯3 印象4 総合29
所在地
埼玉県大里郡寄居町末野城山1904
歴史と沿革

■築城年代の詳細については明確ではないが、中田正光氏によれば藤田氏の13代から14代ごろ、すなわち15世紀末あたりとされている。「新編武蔵風土記稿」によれば、中世の末期に猪股党の五郎政行が城を構え藤田姓を名乗り康邦に至る十五代の間その居城としたという伝承を記している。さらに、戦国期に入り山内上杉氏の四家老の一家として勢力を伸ばし、康邦の代になり後北条氏の勢力が及んだ時に天神山城と共に明け渡し、北条氏康の三男氏邦を養子とし用土氏を名乗り用土新左エ門と改名し用土の城に転居し、天正18年(1590年)の秀吉の鉢形城攻めにより共に落城したとの伝承を記している。
 峻険な要害ではあるが大軍に包囲されれば数百人程度しか収容できない山城の落城は時間の問題であり、天正の鉢形城の攻防においても周辺の支城同様にこれを守備するだけの兵力、組織力、武器、食料の不足から打ち捨てられたのも同様に落城していったのであろうか。

確認できる遺構
土塁、竪堀、堀切、郭、腰郭、石積の郭・土塁など
構造的特徴および
周辺の地理的特徴

■東西に伸びる尾根を4か所ほどのクランク状の大規模な堀切で分離し、西から本郭、二の郭、三の郭、東の郭の順に梯郭形式に直線状に配置されている。北側および西側は勾配が40度を超え極めて登攀することが難しい。南側はこれに比べいくらか緩やかな傾斜を見せているものの、各郭の南側には複数の郭と堀切からそのまま繋がる4本の大規模な竪堀(2本の二重の竪堀を含む)を含む大小の竪堀が配置され防備を高めている。
 また下段の郭からは上段の郭の様子が殆ど分からず、現在地と方向を見失いがちとなる。登口と思われる部分は全て竪堀に繋がっているようであり、仮に腰郭を制圧しつつ尾根筋まで登ったとしても頭上からの挟み撃ちが想定される。さらに、東側からは本郭に到達するまでに4本の深さ5mから6mの登攀が困難な堀切を越えなければならない。なお、平時には4か所の郭の間には木橋が架設されていたと推定されている。
 標高は最高地点で201.9m、比高はおよそ80mである。また、現在は円良田湖から流れている少林寺川の谷が花園城の東側を除く三方を取り囲み天然の要害を形成している。中田正光氏の「秩父の古城址」によると「二重竪堀とクランク状の堀切」を特徴とした「藤田氏系城郭」の典型としている。

参考資料、古文書、
記録

「中世北武蔵の城」(梅沢太久夫 著 2003/岩田書院刊)
「埼玉県埋蔵文化財調査事業団報告書第211集」(1999/財団法人 埼玉県埋蔵文化財調査事業団)
「寄居町史 通史編」(1986/寄居町教育委員会)   

文化財指定
埼玉県選定重要遺跡、また「寄居町指定史跡 1967年」と山頂の石碑に刻まれていました。
訪城年月日
2005/03/28
訪城の記録

( 2005/03/28 )
走り出したら止まらない...
 花園城の登山口の一つである諏訪神社の境内は、南側に少林寺川の小河川を配して更に二段構えの平場が形成されており、もう少し広ければ居館などの根古谷などの存在を想定できそうな地形となっています。神社の向かって右手にある稲荷神社の祠の脇から山腹を左斜めに登っていく道が見えますので、ここから花園城へ向かいました。ものの10分も進まない内に樹木枝と藪のために視界がさえぎられ、南側斜面に相当数存在すると思われる大小の腰郭はその殆どを確認することができません。更に西側に向かい登って行くと、たぶん最大規模の竪堀と思われるような遺構に直角にぶつかりました。道はそのまま竪堀を横断しているようですが、その竪堀の少し手前を右に登っていく踏み跡がありましたので、こちら側から二の郭南側の石積の目立つ腰郭の上部に到達。
 そのあと稜線を目指して二の郭に這い上がり、とりあえず現在位置を確認するために土橋状の狭い道を通り本郭方向へ進みましたが、やはり花園城のメインは何といってもこの岩肌の荒々しい堀切でしょう。荒削りの岩肌が露出する堀切にひたすら感動しながら、本郭の西側の石碑の所で記念撮影を。西側にある本郭の位置をつかめたので、県の埋文センターで作成した最新の縄張り図のコピーを参照しながら、以下二の郭、三の郭、東郭と堀切を横断し東側の城跡の縄張り先端部の堀切を確認してひと段落。
 しかしそのあと性懲りもなく本郭まで戻り、よりによってもっとも急斜面の西側斜面を駆け下りました。この時に足備えのトレッキングシューズと出掛けに近くのホームセンターで購入した作業用の安全手袋が大いに役立つことになりました。小雨の降りしきる状態ですので、滑らないように木の枝に掴まりながら駆け下りるのですが、腰郭群を過ぎた辺りから道というより只の急斜面となり、止まるにとまれずスピードは上がる一方で県道予定地の平坦地まで転がるように勝手に足が進んでいきました。ちなみに参考に持参した縄張り図のコピーはこの県道建設に伴う発掘調査の時のもののようです。
 道なき道の低山山歩きにはある程度慣れているほうなのですが、縄張り図から周辺の地形を含めて比高差80m程度と分かりきっているからできる芸当で、地形不明の上に比高差が300m以上あったらかなり危険です。さて、ここで眼前に少林寺川の小さな流れがありましたが、渇水期で水深も殆どありません。苔むした川原の石で滑らないように注意しながら、以前に通行されたと思われる方と同様にして、背丈ほどの高さの土手をよっこらしょと這い上がって公道へと戻り昼食へと向かいました。といっても、車の中で途中ローソンで購入したサンドイッチと自宅から持参した特売59円の「おーいお茶」で済ましただけですけど。

Best Shot?


 花園城の特徴の一つである山頂の岩を穿ち巧みに利用した力強い堀切跡。
 この光景を眺められるだけでも、苦労して登ってきたというか、這い上がってきた甲斐があるというものです。右側が本郭で岩が大きく露出して見えているのが二の郭です。なお、写真にあるこの緑泥片岩(結晶片岩)は小倉城、青山城、杉山城などに使用されている石積と同様の材質のようです。
 ( 2005/03/28 撮影 晴 )
交通アクセス

・東武東上線/JR八高線/秩父鉄道の各寄居駅から麓まで徒歩25分、本郭までの登り時間約20分
いつもガイド の案内図です 


( 2005/03/28 撮影 )

■花園城の西側から南側を取り囲むように流れている少林寺川。ご覧のように流れはいたって細いので天然の要害とは言い難いのですが、南側の山腹の叢生に隠されている大掛かりな竪堀と夥しい数の腰郭群による防御施設の数々は、まさに筆舌に尽くしがたいものがあります。
■さほど広くはない諏訪神社の境内ですが、二段構の整形された平場が花園城との関連を窺わせます。
 また、花園城への登口の一つとして大変わかりやすい目安だと思います。
■諏訪神社の境内の東側の外れに所在する稲荷神社の洞。花園城への登山道はこの洞の右側を回り込んで山腹を西の方向にゆっくりと登っていきます。
■幅二間、深さ2m前後の大堀切で、長さは150メートル以上にも及びます。この竪堀に平行して左側にもやや浅めの竪堀が並んでいます。
■南側の山腹の腰郭の一つと思われ、向かって右側に高さ1mほどの土塁状の遺構らしきものも確認できます。
■左の写真の一段上にある腰郭で、土塁状の遺構の一部に石積みが確認できます。
■高さ0.8mほどの石積を伴う腰郭。
■三段構えの腰郭。
■同じ三段構えの腰郭を少し角度を変えて撮影。
■石積のある小口状の遺構。とはいっても高さが80cmもありませんが。
■本郭と二の郭の間のダイナミックな堀切を北側から撮影。
 左側が本郭で右側の岩が大きく露出しているのが二の郭です。土橋状の鞍部を通らずに本郭から堀切の底に下りることは不可能ではありませんが、二の郭に直接登ることはまず不可能です。堀切の底からの高さは約5mから6mぐらいあります。
■本郭の北側と東側を防御している幅の広い石積状の部分を伴う幅の広い土塁状の遺構。本郭が上下二段の平場により形成されているともいえますが。
■花園城址の石碑のある本郭西側の高台。この部分は下草も刈り取られているようで、ほかの場所に比べて唯一見通しの良い場所です。
■ここから北西約600mの位置に花園御嶽城があるのですが、霧でぼんやりとしか見えない状態でした。もっとも晴れていたとしても木々の枝が障害になってデジカメでは撮影不能のようです。反対側の南側には鉢形城・金尾城、遠く東側には高見城を望むことができるらしいのですが、叢生する樹木の枝と悪天候のため全く見えませんでした。
■南側から撮影した本郭とその西側にある腰郭との間の堀切。本郭側の高さは約6mほどです。
■本郭西側の腰郭。
■上の部分の堀切を北側から撮影したもの。
■東の郭と三の郭の間の堀切かと。たぶん。
■一番東側の堀切部分かと。たぶん。
■二の郭から堀切越しに見た三の郭の西側部分。
■三の郭か二の郭周辺の地形だと思いますが、現在の所具体的に思い出しません(^^;
■自然の岩石の地形も利用された土塁状の遺構。
■北側の土塁状の高台に守られてやや低い位置にある本郭部分。
■本郭西側の腰郭から眺めた本郭の北側
■同じく本郭の南側部分。
■西側の急坂を転がるように駆け下りると、狭い平地の先に少林寺川が流れています。
 狭い川ですが雨量の多い増水時は、渡河しないほうが賢明です。
■コケの生えたい石で滑らないように注意して、河川の斜面を這い上がるとこの辺りの場所に出ることになっています。
 ちなみにこのすぐ近くにやや場違いな月曜日定休のコーヒーショップがあります。
■南西側から見た花園城の遠景。
■南側から見た花園城の全景。一見何の変哲もない叢生した低山に見えますが、これがなかなか...
■晴天の時の花園城ですが、新緑の季節を迎えて木々の枝には若葉が繁り始め、以前にもまして見通しが利かないようです。
( 2005年4月22日 円良田城からの帰路に撮影 )
 
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