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城館跡の名称
関連ページのリンク  2006/01/07の日記 阿左美氏館 浦山城
おすすめ評価
訪城季節3 遺構状態5 探し易さ3 交通利便4 体力消耗5 歴史経緯3 印象2 総合25
所在地
埼玉県秩父郡皆野町大字皆野字大塚143
歴史と沿革

後北条氏家臣小池氏の館跡
 「皆野町史 通史編」によると、小池氏とこの館跡に関する記述は「新編武蔵風土記稿」「武藏国郡村史」「秩父志」に掲載されていますが、その拠りどころは小池家の位牌を元にしているということです。それによれば、小池氏は代々鎌倉の北条氏に仕えましたがその滅亡後に当地に来住したものとされています。その後第10代の左馬之助光里は天文年間(1532-1555)に藤田康邦の家臣となり、11代左馬之助浜光は北条氏邦の家臣となったが命に背いたとされ死罪とされますが、武田氏の勘気を被ったとされる甲州巨摩郡の津金衆の一族である12代の弥八郎寛倫が浜光の妹の婿となり家督を継承しました。なお、14代五右衛門充福は大阪の陣に加わったとされています。

確認できる遺構
土塁、庭園
構造的特徴および
周辺の地理的特徴

■館跡は秩父盆地の北側の一角に所在する独立峰である蓑山(標高587メートル)北西の山麓に位置し、「新編武蔵風土記稿」に「郡中第一の庭と云いて、かなたこなたよりも遊覧せるもの多しと云」とまでに記された庭園とその北側部分に土塁跡の一部が今も遺されています。

文化財指定
1984年4月1日指定 皆野町指定史跡
訪城年月日
2006/01/07
訪城の記録

( 2006/01/07 )
八幡様に初詣して蜜柑をいただく
 連日の寒さにより小池氏館の庭園の池には分厚い氷が張りつめていましたが、現在も当地にお住まいのご年配の女性がいらっしゃったのでご挨拶を。このあと、近くの八幡神社に初詣がてらにお参りに行くと、先ほどの年配の女性が石段を下ってきました。お参りをさせていただく旨を伝えて石段を登ろうとすると、恐縮なことに再び踵を返して社殿まで同行していただくことに。無事参拝を済ませ、すこしお話を伺うとこの神社は代々殆どこの小池さんのところで管理されているということでした。
 考えてみれば中世の在地領主を経て近世の里正(名主)の家系ということですから、ある意味当然の成り行きなのかも知れません。祭神は八幡様を始めとして、秋葉神社、神明神社そのほか八百万の神々など10柱を祭られているとのお話でした。帰りがけに大きな蜜柑を2ついただいてさらに恐縮を。

記念撮影

 所有者の方のご配慮と思われますが、解説板のところまで畑の脇の近道が明示されていました。館跡は秩父盆地の北側の一角に所在する独立峰蓑山(標高587メートル)北西の麓に位置しています。したがって庭園の一部となっている正面の斜面は蓑山の斜面の一部となります。

( 2006/01/07 撮影 晴れ )
訪城アルバム
■1■両神山
 武甲山とともに秩父地方を代表する名山です。国道140号線から左折する細い道がすぐには分からず付近を少しうろうろ。さて、道は分かったものの明らかに通り過ぎてしまったのに気がついて、位置を確認しようとしたら目の前に両神山の雄姿がありました。一泊二日の行程で山頂まで登ったのはもう30年ほど前の話。
画像クリックで拡大します
■2■高さ2mほどの土塁の一部が健在 画像クリックで拡大
 事前の情報では中世の趣を伝える庭園を中心として北側に土塁の一部が遺されているということでした。しかし、近年北側付近に完成した皆野寄居バイパスの周辺道路整備の関係で西側の一部が消滅しているように思えましたのですが。こうした事情などのため、小池氏館の所在地を含めてやや分かりにくい状況になっていました。
■3■庭園
 日中の日差しは暖かでしたが連日の厳しい寒さのため、庭園の弁財池は完全に氷が張り詰めていました。池の中央には弁財天の祠も祀られていました。
交通案内

・国道140号線と皆野寄居有料道路の大塚交差点から南東へ約100m
MapFan Web の案内図です  

凸参考資料
「中世北武蔵の城」(梅沢太久夫 著 2003/岩田書院刊)、「埼玉県史 通史編2中世」(1988/埼玉県)、
「埼玉県史 資料編6中世2古文書2」(1985/埼玉県)、「埼玉県史 資料編8中世4記録2」(1986/埼玉県)
埼玉県史 別編4年表・系図」(1991/埼玉県)、「新編武蔵風土記稿」(1981/雄山閣)、「武蔵国郡村史」(1954/埼玉県)、
「角川日本地名大辞典11埼玉県」(1980/角川書店)、「皆野町史 通史編」(1988/皆野町)、
「秩父の文化財」(1990/秩父郡市文化財保護協会) 

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