谷城　中世城館　城跡　城址　埼玉　武蔵

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	谷城址
関連ページのリンク	2004/10/07の日記　谷津城
所在地	埼玉県比企郡滑川町大字山田字1483番地ほか
歴史と沿革	「滑川村史」などによれば、1980年に当時の滑川村教育委員会職員の吉田憲正氏により、「村史編纂」の過程で所在が確認された城跡であるとのことである。この城に関する資料・文献・伝承の類は確認されていないらしく、詳細は不明。　しかし、「同史」によれば15世紀末から16世紀の初頭にかけての両上杉氏の抗争の中で、羽尾周辺では両者の合戦が行われている模様であり、それらに関係する遺構であるという可能性は十分にあると考えられる。その後、後北条氏の侵攻との関連も想定されるかもしれないし、或は合戦時の乱取の風潮が激化する中で、所謂「村の城」のような役割を担った可能性もあるような気も.......。
確認できる遺構	郭、空掘
構造的特徴および周辺の地理的特徴	県道250号線のやや幅の広い平坦な谷をはさんで西南西700ｍに山田城、西600ｍに山崎城がある。このことから山田城に対する備えとしての付城という説もある。現在は東松山カントリークラブとなっている独立した丘陵地帯の西側舌状の先端部分にある。「同史」では主郭と水田部分の比高はやく20ｍとしているが、もう少しありそうな感じである。　また、主郭は南側を除き勾配は急傾斜であり通常の登攀ルートは中央の鞍部を目指すことになる。主郭の南西部分には８ｍ程度の間隔で平行して二本の堀切があり、この堀切は北側で複雑に交差している。この北側には帯郭状の段築があるとのことである。また、丘陵の鞍部は二の郭とされているが特に遺構は見当たらない。さらにその東側の三の郭とされるところに役割不明の鍵型の空堀がある。
参考資料、古文書、記録	「中世北武蔵の城」(梅沢太久夫著/2003　岩田書院刊) 「滑川村史」（1984/滑川村編集発行）「滑川村史調査資料　第4集　旧羽尾村・設楽家・小沢家・小林家・上野家」（1980/滑川村村史編纂室）
文化財指定
訪城年月日	2004/10/07
訪城の記録	<<2004/09/>>所在が分かりにくそうな場所だったので、予定通り森林公園の駐車場に車を止めて、秋の野草などを愛でながら、のんびりと徒歩で探索することに。公共の駐車場料金は610円、民間の場合は200円と官民格差が大きいことに改めて少し驚く。もちろん200円の方へ、入園料金だって400円掛かるし......。それにしても、森林公園は平日はガラガラで........土日ならばこの時期、結構混み合うはずでしたけど。自分の子どもたちが小さかった時は、それこそ、年に何度も来たような記憶があり、すでに訪れなくなってから十五年ぐらいになるかも知れない.........などと昔を懐かしむ年齢になってしまった。　県道250号線をトボトボと北上して、それらしい丘陵先端部分を物色。怪しそうなのが3ヶ所ほど目に入った。ここでコピーしてきた地図を確認し、歩行距離と大雷淡洲神社を過ぎてから右側（東側）に見える丘陵であることが分かると、もう目当ては一つしかない。県道を右に折れてまっすぐ目標へ。　さて、上り口はと......正面のコンクリートの擁壁部分から上ることは、ちと難しそうだし、南側の民家の方からではかなり迷惑そうだし、やっぱり北側から攻める以外になさそうだと判断。途中までは丘陵と農地の間の道がはっきりしているが、途中からあるようなないような状態に。面倒なので蜘蛛の巣を払いつつ右手の斜面を登りきる。そこが寺址とされる掘削された200㎡ぐらいの平坦地で、祠と地元の方の墓があり、尾根の向こう側には民家もあるが、晴天の正午頃の時間であるにもかかわらず、全く人気のない場所でやや不気味な世界が開けていた。ここで写真を撮影したら、間違いなく「心霊....」になりそうな非常にまずい雰囲気だったが、記録のためと意を決して撮影を敢行。ただし墓石部分を避けて.......心霊現象の関係ではなく、個人の現用の墓所であるので。ま、結果は何ともありませんでしたけれど.......今のところ(^^;　その場所へは北側の谷沿いと南側からも別の道があることが、後で分かったが今さらしょうがない。　さて、その場所から主郭方面へはどうやって行くのかが、次のちょっとした問題に。はっきり言って道がない。踏み址もない。もちろん案内板などあるわけがない。全体の地形から判断して登りやすそうな左側の斜面から這い上がることに。這い上がっている最中に、良く見ると先客の方の踏み跡らしき痕跡を発見.......といっても多分数ヶ月前のものと思われるけど。　尾根筋には直ぐに到達し、平坦なので主郭目指してとにかく右方向に進む。蜘蛛の巣に絡まりつつ、篠竹とその他の木々の茂みを除けながら尚も進んでいくと、あったあった.......目の前に空堀状の堀切が(^^)　これが、平坦地の場合だと不法投棄された廃棄物もついでに発見することとなる場合が多いけれど、さすがこの場所まで担いできて捨てるようなことはない様で、人工的なゴミは一つとして落ちてはいないのが嬉しい。さらに進むと藪は更に酷くなってくるが、取敢えずもう一本の堀切も発見。しかし、それから先には、下の写真を見てもらえば分かると思いますが、この季節では未だちょっと進むことができない状態。　その後、主郭北側の堀切の交差部分と帯郭のような段築を何とか藪の隙間から確認して後退。堀切は手前のほうが場所によっては1ｍ程度の深さがあるものの、奥のほうは落ち葉などが詰まっていてかなり浅めになっていた。先端部分の状況や長さについても確認しようと試みたが、同様にちょっと身動きが取れそうにもなく断念。この後、二の郭に相当する鞍部を経て、鍵の手状の空堀の残されている東側の三の郭目指して藪を掻き分け進んでいくと、突然きちんとした山道に出た。後から調べたところでは、この道はたぶん南側の民家の方の墓所への参道のようで、北側に進み墓地へと上るあたりから踏み跡が一段と寂しくなる。鍵の手状のの空堀は、よく観察しないと山道自体が堀切状態となっているのでその区別がつきにくい。事前に下調べしておかなければ、先ずそれとは分からない状態で、薄暗い藪の中にひっそりと埋もれていた。　同所にて近世初期の延宝と刻まれた石仏が、これもまたひっそりと鎮座していたので、ありがたく写真へと収めさせていただいた。　帰路、道路わきの蕎麦畠の白い花が満開だったのでその写真を撮り、秋の風情を楽しみながら森林公園方面へと戻る。木々の葉がすっかり落葉し霜柱穂踏みしめる年末あたりに再訪してもよさそうな感触が残った。季節柄、田んぼの薄の穂が風にゆれ、民家の庭先の金木犀の香りが爽やかに漂っていた。
	外側の堀切。深さ1ｍ幅5ｍ未満。この辺りまでは何とか侵入できるが、この先から身動きが取れない状態になっていく。　対岸には土塁状の高まりがあるような、ないような.......。 <<2004/10/07　撮影　晴れ>>
交通アクセス	森林公園（駅名ではなく公園そのもの）の南口から県道250号線を北上、右手の水田の先に見える低い丘陵が目標。徒歩12分あれば。（詳細は「訪城の記録」を参照）森林公園駅からバスもかなり出ています。

<<2004/10/07撮影>>

	写真の補正により明るく見えるけれど、木漏れ日の中で実際には微妙な雰囲気が辺りを漂っていた。
	内側の掘切って、どこが.....(^^;　この辺りから藪が半端でなくなってくる。　主郭内部への侵入をここで断念。残念。　(^^;
	近世初期延宝年間の刻印のある石仏。苔の生え方が、なかなかいい雰囲気を醸しだしているが、夕方はあまり近づかないほうがいいような雰囲気が滲み出ている　この後ろに三の郭にある鍵の手型空堀がある。
	鍵の手に屈曲しているのが分かるだろうか。
	土塁でも竪堀でも堀切でもない、ただの山道だと思います。おそらく　(^^)　上の写真の部分とどこが違うのかと、いわれると殆んど大差ないわけで.........(^^;
	帰路、道路わきの蕎麦畠の白い花が満開だったのでその写真を撮り、秋の風情を楽しみながら森林公園方面へと戻る。　なぜか行きには、殆んど気がつかなかったという注意力の欠如に自分で呆れる。
	田んぼの脇に咲いている一株ほどのコスモス。背景の丘陵が「谷城跡」です。
	木々の葉がすっかり落葉し霜柱穂踏みしめる年末あたりに再訪してもよさそうな感触が。季節柄、田んぼの薄の穂が風にゆれ、民家の庭先の金木犀の香りが爽やかに漂っていた。　そういえば20年来の嗅覚障害で、花の香りは金木犀しか分からない。それだけに自分としては余計に季節を感じる。

　

　

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