越畑城　中世城館　城跡　城址　埼玉　武蔵

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越畑城

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　2005/03/07の日記　杉山城　菅谷館　

おすすめ評価

訪城季節２　遺構状態４　探し易さ２　交通利便３　体力消耗３　歴史経緯２　総合１６

所在地

埼玉県比企郡嵐山町越畑９１０ほか

歴史と沿革

■「新編武蔵風土記稿」の越畑村の壘蹟として、「村の西にあり、地元では城山と呼ばれ、いまは畑となっており、何時ごろの誰の居城であったのか不明であるが、一方、庄主水という者の居蹟という伝承もあるが、その年代も確かではない」としている。さらに、「武蔵七党の児玉党に庄權頭弘高などの後裔かもしれない」と記し、「小田原衆所領役帳」の庄式部少輔・庄新四郎の一族かもしれないとの推定をしている。
　なお「同役帳」によれば、庄式部少輔とその嫡男庄新四郎は共に馬廻衆としてそれぞれ33.5貫文、141.611貫文を知行されている。また、堀切などの防御も見られないことから、物見や狼煙台の役割であったとの説もあるが、杉山城、菅谷館、高見城をつなぐ位置にあり道路建設に先立つ発掘調査で出土した遺物から少なくとも山之内・扇谷の両上杉氏の争いの頃から存在していたと考えられている。

確認できる遺構

郭

構造的特徴および
周辺の地理的特徴

■杉山城と同様に市野川北岸の標高100ｍ程度の北西から南東に伸びる比企丘陵の北西部に位置し、比高40ｍほどの二つの峰のある尾根筋に展開していた本郭、二の郭、三の郭（出郭）からなる小規模な砦跡。
1970年代末の関越自動車道の建設により、残念ながら二の郭を除いて主要な遺構は消滅している。

参考資料、古文書、
記録

「嵐山の中世」(嵐山町博物誌第五巻　嵐山町1997年発行)この本はビジュアルで特に中世城址に関心がなくても読みやすい内容です。
「嵐山町史」(1983年嵐山町編集発行)
「中世北武蔵の城」（2003年/梅沢太久夫著/磐田書院刊）　　

文化財指定

無

訪城年月日

2005/03/07

訪城の記録

（　2005/03/07　）
■関越自動車道の建設により主要部分が破壊．．．
　全国的にもある程度有名な杉山城の北西に所在している割には、所在地自体も分かりづらく、入口も全く何んの表示もないので、これまた非常に分かりにくいという評判の城跡。「嵐山町の中世」を入手していたので、越畑城跡の航空写真に写っている高圧線の鉄塔と農業用水の位置などから場所自体は問題なく一発正解したものの、渡るべき橋が見当たらない。
　結局、関越のIC建設に伴う新しい道路まで戻り迂回することに。かくして、市野川の流れにより南側の防御が堅いことが判明(^^;　越畑城への入り口は２か所あり、１か所は関越の下を抜ける東松山３７号地下道の西側から見て、南側の上り方向にコンクリートの階段がある。もちろん案内表示はない。関越のフェンスを左に見て、これをひぃーこら言いながら登っていくと、東側を削り取られ半分になった元本郭付近のピークに到達。ここはホームレスの方の定住地のようになっておりやたらにゴミが散乱。
　更に道に沿って真直ぐ南側に100ｍほど進んでいくと幾分下り坂となり少し上って景色が開けたところが愛宕神社のある二の郭。この場所へは東側から関越を跨ぐ歩行者用の陸橋があるが、当然その入口にも説明表示はない。二の郭の東側に小規模な腰郭状の地形があるのだが、当時のものか、後世のものかその判断に苦しむ。
　また、戦時中の陸軍軍人等により建立された越畑城址の石碑は東側の側道沿いの、これまた分かりにくい場所にあり、現地から携帯で嵐山町の担当課に確認してやっと所在が判明した次第。確かに、土地勘のないはじめて来た人間にはまず分からない場所にあり、訪城の時期も冬季限定の模様。
　わざわざ行くほどの遺構が遺されているというわけでもありませんが、杉山城からは非常に近いので、そのついでに寄る分には損はないと思います。高速道路の建設により遺された城跡と、殆ど破壊されてしまった城跡とを対比する意味でも。

Ｂｅｓｔ　Ｓｈｏｔ？

　辛うじて城跡の名残をとどめている二の郭付近。手前の腰郭状の地形が気になるのですが、町の史料編纂担当の方の話によると城跡の遺構とは関係がなさそうな話でしたが、かつて城跡であったことを表す唯一の撮影アングルのように思いました。
　(　2005/03/07　撮影　晴　)

交通アクセス

　東武東上線武蔵嵐山駅より徒歩６０分MapFan Web の案内図です

（　2005/03/07　撮影　）

■通りすがりの杉山城。木立の間から少しだけ郭が見えている。
　昨年の秋に訪城してあまりに細かい縄張りのため全体の構成が分からなくなってしまった。いずれまた訪城しなくては．．．．。越畑城はここから約１キロメートルほど北西に所在しているはず。なお地形的には市野川と粕川に南北をはさまれた細長い丘陵地帯であり、杉山城の尾根筋と越畑城は繋がっているので、理屈の上で藪こきを厭わなければ冬季限定で尾根伝いにたどり着けるはずですが、もちろん道はありません。

■向かって左側の頂上が疎林になっている部分がかつての本郭跡で、その右側のピークが愛宕神社のある二の郭。
　こちらの西側から見る分には東側に関越自動車道が走っているようには見えないが、高速道路の建設により本郭の東側は削り取られて跡形もなく、概ね関越の高速道路上が本郭のピークに相当するらしい。なお、この道路はこの先にある位置の側の堤防で行き止まりで、500メートルほど右側つまり南側にある橋を渡って対岸に平行している道路からアプローチするのが一番分かりやすそう。

■越畑城の目印となる目標物は①西側から見た場合二本の紅白に塗装された高圧線の鉄塔の間に普通の鉄色の鉄塔がある。②市野川が東へ湾曲し新川が北側から合流する地点などである。あとは、この写真を参考にしてもらえば多分行けるでしょう。
　なお、本郭の左側のピークは関係ありませんが、この二つのピークの間に市道が北東に向かって切通の坂を上り、関越自動車道を下り坂のトンネルで抜けています。そのトンネルの手前の右側から徒歩で上っていけます。
　車は東側の側道部分の広い場所に止めるか、位置の側沿いの市道の脇に寄せるのがベターで、坂道の駐車は避けたほうが賢明です。

■視界を遮る障害物なども殆どなく、小川町の台形状の高見城　（写真の中央部分に見える小さな山、四津山城ともいわれる　）　が、越畑城の麓からも大変よくよく見通せます。
　このあと武田信俊館、高見城と廻りましたが、これだけよく見えていれば、まず絶対に間違いようが無いぐらい特徴のある山容です。

■二の郭の少し外れにある鄙びた風情の愛宕神社の洞。
　賽銭の管理が少し心配ですが、取りあえず幾ばくかの浄財を賽銭として投じ、鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼で参拝。愛宕神社は元来は火厄除けの神様。

■愛宕神社のある景色の開けた場所から、嵐山町の中心街・菅谷館方面を遠望しましたが、西日の逆光と視力の関係でよく見えませんでした。

■括れた痩せ尾根状の地形となっている二の郭から本郭へ向かう途中の鞍部。本郭跡自体は現在の高速道路上に相当するそうで、現在残っているフェンス沿いのピークは本郭からの尾根続きの部分のようです。ただあまりにもゴミが酷かったのと、撮影してみたもののただの藪にしか見えないので、ＨＰにはＵＰしていません。

■この辺りが二の郭らしいのですが、外形的な遺構は確認できません。先日の雪がまだ融けないで少しだけ残っていました。雑木林の木立の写真としてはちょうどよいコントラストで撮影できましたが、あまり意味がなく．．．．．(^^;

■二の郭、愛宕神社に向かう関越に架かる専用歩道橋を東側から撮影。この右側の側道部分に車を止められるようなちょっとしたスペースがあります。

■東側から見た半分以上削り取られてしまった本郭の残骸部分。本郭をはじめ出郭など城跡としての主要な遺構は高速道路の建設により、殆ど消滅しているようです。
　なお、この写真の右手の狭い側道を登っていくと下の写真の石碑のある場所に到達します。

■越畑城への東側からの登り口。このトンネルの名称は東松山37号地下道で右側のコンクリート製の階段を、ひぃーこら喘ぎながら登っていくと、ホームレスの方の居住跡と思しきピークに到達します。あ、女性の単独行は避けたほうが賢明ですので念のため。

■太平洋戦争中に建立された「越畑城跡の碑」。高速道路の工事により移転され、関越の東側の側道の小高い部分にひっそりと佇んでいます。

■東側から石碑越しに見た本郭跡。遺構の存在した部分を大きく削り取られているので、これが本当の跡である．．．などと冗談を言ってみても始まらない。

■同じく東側の越畑城跡の石碑所在地から見た二の郭方面で、関越に架かる歩道橋も見えます。


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