（　2008/10/１３　）
凸　葡萄畑
　城館跡は道路などの地割から、東西南北それぞれ約２００ｍ程の規模を有する正方形に近い形状であることが推定をされています。森東城とは泉通寺境内と県道を挟んでほぼ隣接している地理関係にあり、南西方向に隣接する森西城を含めて全体としての相互関連の深さが窺えます。然し残念ながら文献資料としてそれらを結びつけるものは確認されていない模様です。
　山崎一氏の作成された資料によれば、かつては南西部に堀跡らしき連続した窪みが所在したとの記述がありますが、勿論現在では宅地化等の進行に伴いそうした形跡を確認することは不可能な状況です。全体としてほぼ平坦地に所在していることから、幾分視点を変えて県道に架かる歩道橋上から俯瞰してみたものの、南東部分には広々としたとしたブドウ畑が広がり、その中心部付近にはブドウ畑の持ち主の方と思しき旧家等が存在しておりました。
　これに対して寧ろ北東（鬼門方向）にほぼ隣接する形の曹洞宗泉通寺西側の古い墓石の立ち並ぶ土塁状地形（高さ最大2.5ｍ、延長約60ｍほど）の存在の方が余程気にかかるのでありました。近世寺院の寺構にしては些か大規模で、洪水などから境内、墓地を保護するためのものとしても鮎川東岸からの直線距離は約１ｋｍもありますので果たして何のためのものか未だに理解に苦しんでおります。