打越館　中世城館　城跡　城址　埼玉　武蔵

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	打越館
関連ページのリンク	2004/12/23の日記
所在地	埼玉県富士見市東みずほ台３－２２
歴史と沿革	■打越遺跡は旧石器時代や縄文時代の遺跡群として有名であり、著名な国の史跡である水子貝塚は２キロメートルほど東に所在する。　区画整理事業の開始に伴い１９７２年から１９８３年にいたる１１年間の発掘調査の際に中世末の館跡の遺構が確認された。 ■「富士見市史　資料編２考古」によれば発掘調査により、空堀は西側をのぞく北・東・南の三方にめぐり薬研堀状の約５０メートｍ四方の規模であったことが確認されている。空堀の深さは約1.8ｍ、上幅約３ｍ、底幅は約６０cmであったという。　また、東の堀の内側に沿って、５間×２間の南北に庇を伴う建物のほか７棟の掘立柱の建物郡が確認され、在地土豪の館跡と推定されている。年代としては出土した遺物などから、15世紀から16世紀頃のものと推定している。
確認できる遺構	視認できる遺構は無
構造的特徴および周辺の地理的特徴	■館跡は新河岸川の支流富士見江川の谷戸の東側の比高差７ｍほどの台地上に所在している。谷戸は現在は住宅地が建てこんでいるものの、以前は水田地帯であり中世の小規模な在地領主・土豪の館としては格好の立地条件である。
参考資料、古文書、記録	「中世北武蔵の城」（梅沢太久夫　著　2003/岩田書院刊）「富士見市史　通史編　上」(1994年　富士見市教育委員会/編集・富士見市/発行) 「富士見市史　資料編２考古」(1986年　富士見市教育委員会/編集・富士見市/発行)発掘当時の記録、多門氏についての記述が詳しい。「郷土ふじみ第２号」(1972年　富士見市郷土史同好会/編集・発行) 「富士見風土記」(1980年　富士見市教育委員会/編集・発行) 「神社と神々」(井上順孝監修　1999年/実業之日本社刊行) 「民間信仰辞典」(桜井徳太郎編　1980年/東京堂出版刊行)　「富士見のあゆみ」(1982年／富士見市編集発行) 「富士見のさんぽ道」(1973年/富士見市郷土史同好会編集発行)
文化財指定	無
訪城年月日	2004/12/23

訪城の記録

（　2004/12/23　）
■谷戸の水田地帯を睥睨　
　館跡が所在している富士見江川の段丘は思ったよりも比高差があり７ｍから８ｍぐらいは軽くありそうで、道路上でも坂を上るときはセカンドにシフトしないとあがれないぐらいの傾斜があります。
　ちなみにこの川の水源地は、自分が以前通算で１５年ほど勤めていた施設の隣の畑付近で、降水量の多いときにはすぐ１ｍぐらいの赤さの大きな池ができてしまいます。川としての外形が現れるのはその場所から３００ｍくらい先の地点ですが、その辺りではまだ谷戸を形成するにはいたっていません。それが僅か４㎞も行かないうちに下の写真のような大きな谷戸を形成していますが、これは川の浸食作用というよりも洪積台地の隆起によるものと考えられます。
　いずれにしても、この土豪の館はこのような地形の台地の西端に水田地帯を睥睨して存在していたのでしょう。それにしても想像力の豊かさが試される訪城でした(^^;

Ｂｅｓｔ　Ｓｈｏｔ？

　富士見江川の対岸の台地上から打越館方面を望む。遠くに見える落葉した林が打越公園方面、その左側に小さく見える建物が「みずほ台小学校」で、その手前辺りが館跡となるはずです。
　住宅の立ち並んでいる谷戸は以前は水田地帯であったというが、館跡と同様にその面影は全く見られないようです。
　(　2004/12/23　撮影　晴　)

交通アクセス

・東武東上線みずほ台駅から徒歩約１５分程度。　

（　2004/12/23　撮影　）

■館跡は宅地化され全くその面影はありませんが、館の西側にある崖線に沿って残された林は打越公園として整備されています。
　館跡の面影を探すとすればこのあたりしかありません。

■館跡の空堀は西側には存在しなかったようですが、この崖線を代用していたのではないかと思われます。


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