森田氏屋敷

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	森田氏屋敷
関連ページのリンク	2004/11/25の日記　浅羽城
所在地	埼玉県坂戸市浅羽堀ノ内928付近
歴史と沿革	「坂戸市史」にも具体的な記述はない。鎌倉期の屋敷としては総面積約4000坪と大きく、もっと時代が下ると見るべきだろうか。堀ノ内という地名が中世城館跡を想起させるものではあるが。
確認できる遺構	延長200ｍ以上の折のある空掘（水濠）、物見台のような土塁
構造的特徴および周辺の地理的特徴	水田地帯の中央に他の集落から離れて立地している。坂戸台地の西端に位置しているものの、当時の河川の流域は不明であるが、現在の高麗川の堤防までの距離は100ｍもなく、明治・大正の２度の大水害で堤防が決壊した一帯に含まれる地域であると思われる。水害対策の完備した現代とは異なり、当時の事情を考慮すると立地条件の点で疑問が残るのだが。600ｍ南西には浅羽城址があるので、何らかの関連があっても良いように思われるが詳細は不明。
参考資料、古文書、記録	「坂戸市史」(1992年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸の歴史--坂戸市文化財ガイド」(1992年坂戸市教育委員会編集発行) 「坂戸市史--中世資料編1」(1987年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸風土記--坂戸市史調査資料第１号」(1978/坂戸市教育委員会発行) 「中世の坂戸」（1996年坂戸市教育委員会編集発行）「中世北武蔵の城」（梅沢太久夫　著　2003/岩田書院刊）「坂戸風土記--坂戸市史調査資料第１５号」（1989年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行）「坂戸市史中世資料編Ⅱ」（1980年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行）
文化財指定	無
訪城年月日	2004/11/25

訪城の記録	<<2004/11/25>>　有給休暇がこの時点で、あと３５日以上余っていたので、休みをもらっての訪城。あまりの撮影ポイントの数が多すぎてボロボロになった小倉城のリベンジという選択肢もありましたが、朝の起床時間が遅くこのパターンの訪城となりました。　5、10のつく日は車が込むらしく、途中の川越市で思いのほかの渋滞。このため１番目の森田氏屋敷に到着したのはすでに午前１１時をかなり経過。スムーズに行けば、あと３ヶ所ほど回る予定が、この時点で合計3ヶ所に計画縮小変更。この季節は太陽の傾きが早いので、写真撮影に使える時間は、せいぜい午後２時半ぐらいまでの模様。特に城館跡の場合には周辺に木立が多く、木漏れ日の修正はかなり困難。　森田氏屋敷の場所は周辺に建造物が少ないので非常に分かりやすく、県道から右折する個所を行き過ぎたほかは全く迷うことなく到着。屋敷の規模は北東から南西方向に約２００ｍ、北西から南東方向に約６０ｍの長方形となっている模様。目立つ遺構としては北西側の直線にして２００ｍ以上にも及ぶ空堀跡（長雨があれば水濠となるのでは）。もちろん当時のままではないと思いますが、途中に折のある個所もあり水田地帯とはいえ、これだけしっかりと残されているものはそう多くはないと思われます。堀幅は約１間から１間半、深さは平均１ｍ前後ですが南西のほうでは屋敷側で1.5ｍの個所も。南西の角には物見台のような屋敷地表から1ｍほどの高さの土塁状の高まりを確認することができます。ほとんど期待しないで訪城したものですから、意外な堀跡との遭遇にかなり嬉しく思ったことは確かです(^^)。　周辺は完全な水田地帯ですが何か事情があるのでしょうか、稲刈りがされていない稲穂をつけたままの水田が１反ほど残されていました。北西60ｍには高麗川の堤防があり、堤防の上に登ると周辺の景色も広々として大変気持ち迷い見通しの良い場所で、おにぎりを持参して昼飯にしたら最高のロケーションです。このあたりは高麗川の下流域で調整池の関係からか堤防の幅は２００ｍから３００ｍと広くなっています。坂戸市がこの３月に設置した「高麗川ふるさと遊歩道、自然散策路」の標柱が周囲の風景に溶け込んでいました
	「中世の坂戸」付録の戦後間もない頃に当時の米軍により撮影された航空写真にも、森田氏屋敷の形状はそのままくっきりと撮影されていました。少なくとも北西側の空堀の位置は変わっていません。また、物見台のような土塁の位置も同様ではないかと思います。現状では3、4軒の宅地に分割されているようですが、空堀はそのまま残されています。　<<2004/11/14　撮影　晴れ>>
交通アクセス	県道７４号線を南西に向かい土屋神社の先の細い道を右に入ると、緩い下り坂の先の水田地帯に位置している。付近の目印は浅羽野小学校があり、その南西にある。周辺は水田が広がっているので直ぐに分かるはず。

<<2004/11/25　撮影>>

	後世の農業用水かもしれませんが、取りあえず-北東側の堀です。西側の道路沿いにもこれと同様の堀がありますが、そちらの方はどうみても農業用水に見えました。　収穫されずにそのままになっている稲が気になります。
	北側の空堀の一番東側の部分で、先ほどの東側の堀とは暗渠でつながっているようです。こちらにお住まいの方がいつも綺麗に清掃されているようで、非常に分かりやすい状態です。当然近世以降に多少は手が加えられているとは思いますけれども、この空堀はほぼこのままの状態で西側の屋敷の端まで直線にして200ｍ以上も延々と続いています。典型的な屋敷堀だと思いますけど。現在の形状で判断してもあまり意味はありませんが、このあたりは箱堀の形状で、この先のほうは薬研堀状になっています。また、部分的には竹林もあるので農地への根の張出を防ぐ「畔堀」の可能性については、その間に幅1.5間ほどの道があるのでまず考えられないと思います。
	一部だけ宅地の排水溝を兼ねたようなところもありますが、それはそれとして本当に全体としてよく手入れをされています。
	廃棄物の不法投棄をする人がいるんでしょう。近くに捨てられた当事者はたまりません。
	空堀の一番南西の端にある物見台風の土塁。高さ約1ｍぐらい。
	もう4年の付合いになるミニ四駆。雪道に強いが、埼玉では殆ど無用の長物。
	高麗川の堤防の上から俯瞰すると、いくらかですけど全体の空堀の曲がり具合が確認できます。坂戸市がこの３月に設置した「高麗川ふるさと遊歩道、自然散策路」の標柱が周囲の風景に溶け込んでいました。堤防の付近は散策にはもってこいの場所です。

　

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