羽尾城　羽尾館

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	羽尾城址
関連ページのリンク	2004/10/07の日記
所在地	埼玉県比企郡滑川町大字羽尾字金光寺5334番地ほか
歴史と沿革	「館蹟　村の巽の方にあり、広さ僅かに三反ばかり、上田案獨斉（上田朝直）が家人、山崎若狭守が住せし所と云」と「新編武蔵風土記稿」にあるのみで詳細は不詳であるといわれている。山崎若狭守についても、「滑川町史」によれば、要約すると「羽尾七騎由来書」（小沢家所蔵文書）などから七人衆の筆頭と考えられるだけで、他の事例から10貫程度の領地を持つ松山城主上田朝直の支配下の土豪・地侍であろうとしている。また、「広さ僅かに三反ばかり」という記述については15000㎡以上あるはずの城域が3000㎡もないことになり、城域などについて「新編武蔵風土記稿」には時折見受けられる誤記であろうと考えられる。なお、「埼玉の城館跡」では「羽尾城」と呼ばれ「滑川村史」では、「新編武蔵風土記稿」の記述と残存する遺構から「羽尾館跡」と呼んでいる。　また、天正18年の関東攻めの際に秀吉の軍の攻撃を40日間耐えたという、言い伝えがあるといわれている。これについては、資料・文献に裏付けられたものではなく単なる伝承に過ぎないといわれている。その理由は、城としての防御力のレベル（市野川方面の要害性の低さ、北側の二重土塁の規模）、収容可能な兵力（せいぜい数百人程度）、召集できる最大兵力（資料が明らかにしている絶対的な兵力不足の折、近在ならばやはり防御力の高い松山城に集中配備するのが自然）などの事情を考慮すれば自ずから明らかである。
確認できる遺構	土塁、空掘
構造的特徴および周辺の地理的特徴	北側400ｍを滑川が、南側300ｍを市野川が流れる比企丘陵先端の東西に細長い台地に位置し、南東約3ｋｍには松山城がある。市野川との比高差で10ｍあるといわれてるが、現状から見る限り川幅も広くはなく要害の地とはいい難い。なおこの2本の河川は松山城の手前で合流している。北1.5kmに山田城があり、南側の眺望は良いが、東西にはあまり見通しがはかない。またこの地は「滑川村史」によれば谷城、山田城の脇を抜ける鎌倉街道の枝道が通じていたと考えられている。
参考資料、古文書、記録	「滑川村史」（1984/滑川村編集発行）「滑川村史調査資料　第4集　旧羽尾村・設楽家・小沢家・小林家・上野家」（1980/滑川村村史編纂室）「中世北武蔵の城」(梅沢太久夫著/2003　岩田書院刊)
文化財指定	1976/10/01埼玉県選定重要遺跡
訪城年月日	2004/10/07
訪城の記録	<<2004/10/07>>　訪城する途中、ついうっかりして県道47号線の右折個所を行き過ぎて森林公園まで行ってしまった。別の道から戻り、金光（きんこう）の集会所を探したが下り坂の途中にあり今度も行き過ぎてしまった.......などとドジを踏んでいるうちに15分ぐらいのロスタイム。さて、集会所の前に着いたものの道路沿いの細長い空き地の駐車スペースはどう見ても3台分はなく、先客もあったので縦列駐車となった。ここでまたひとつ勘違いをしていて、てっきりこの市道沿いにあるものだとばかり思い込んでいたので思わず辺りをキョロキョロと探してしまった。　城跡への入り口は集会所と向かって右側の民家の間の細い坂道を上がっていく。いくらも歩かないうちに未舗装の道にぶつかり、その正面に土塁が見える。遺構として、外形的にはっきりと分かるのはこの延長約100ｍの二重土塁だけであり、主郭の東半分は完全にものすごい藪の中で、真冬でも入り込むのは難しそうなそうな雰囲気であった。また、西側の空堀は確認できたものの、土塁については内側から見た限り余りはっきりとはわからない状態であった。なお、南側の小郭があるほうは地権者の了解がないと入りにくい状況なので、今回は確認していない。不法投棄されたものかどうか判然としないが、所々に家具であるとか、果ては軽自動車であるとかの廃棄物が放置されていた。
	北側の二重土塁は思いのほかよく残されている。この場所は北側の土塁のもっとも西寄りの入り口辺りからの場所で二重土塁であることを確認するのには一番都合の良い位置である。逆に言えば、下の写真にあるとおり、構図として様になるのはこの辺りしかないようである。真ん中の堀から見て外側の土塁の高さが約1ｍ、内側の高さが2ｍ強といったところである。<<2004/10/07　撮影　晴れ>>
交通アクセス	東武東上線森林公園駅より徒歩15分もあれば。　国道254線方面からは、東松山インターの先を左に折れ、県道47号線の高架道路に入り北の熊谷方向（森林公園方向）へ進むみ、約2km先の羽尾南の交差点を右折する。左側に市野川が見え500メートルほど行くと川がだんだん道路に迫ってくるところがあり、その先のセンターラインのある丁字路を左折する。道は途中で登り坂となり600メートルほど行くとまた丁字路にぶつかる。これを左折し250mほど行くと、金光地の集会所(平屋の小さな建物)がある。城跡はこの裏側の丘の上にある。道は右側の民家との間の私道のような上り坂を上がっていく。このコースで行った方が城跡としての周辺の地形が分かりやすく都合が良い。

<<2004/10/07撮影>>

	上の写真の土塁の間の空堀から内側の土塁を撮影。
	一番西側の入り口の付近から二重土塁の間の空堀を撮影したつもりですが......(^^;　右側が外側、左側が本郭内で中央の暗い部分が空堀。
	この土塁は長さにして約100ｍあるが、現在3ヶ箇所に分断されている。3ヶ所の入り口のうちの一箇所が食い違いを見せているというが、どの場所をいうのかあまりはっきりしない。また一番東側の土塁の切れ目からは藪が酷くて中には進めない。この部分の外側の土塁の高さは2ｍぐらいある。

　

　

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