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	自宅付近のありふれた花々
関連ページのリンク	2005/05/03の日記
所在地	埼玉県入間郡大井町
参考資料	「野草大百科」（山田　卓三　監修　1992/北隆館刊）「山野草大百科」（久志博信・内藤登喜夫　2005/講談社刊）「花色でひける野草・雑草観察図鑑」（高橋良孝　監修　2004/成美堂出版刊）「葉形花色でひける木の名前が分かる事典」（大嶋　敏昭　監修　2003/成美堂出版刊）「野草見分のポイント図鑑」（畔上　能力ほか　監修　2003/講談社刊）「樹木見分けのポイント図鑑」（畔上　能力ほか　監修　2003/講談社刊）
観察年月日	2005/05/01

観察の記録

（　2005/05/01　）
■足元の雑草にも目を向ける
　仕事の日程の関係ではからずも５連休となってしまったのですが、どこも混雑しているだろうし膝の具合は思わしくないし、今度は足首の部分が踝の見えなくなるぐらいに腫れているし、かといって病院は休みだし．．．というわけで自宅の雑草・野草を観察することに(^^;
　５月初旬の現在で、花が確認できたものは下の４種類の野草とセイヨウタンポポだけでした。せっかくはじめたので、今後ひと月単位ぐらいで観察を続けていこうかと思っています。このままだと桜と梅の違いも知らずに、一生を終わることになりかねないと気がついての行動です(^^;
　亡くなられた植物学者でもあった昭和天皇の植物を愛するエピソードに、「雑草という植物は無い。必ず名前があるはずで、それも意味があって生えているのだ．．．」というようなことを耳にしたことがあります。植物の名前を知りその特徴や生態を知ることの重みが心に響く年齢になってきました。

ジシバリ

（　2005/05/01　撮影　晴時々曇、やや風強し　)
■埼玉県入間郡大井町

日本名	ジシバリ地を這う茎が地面を縛るように見えることからこの名がついたといわれている。
科／属	キク科ニガナ属
学名	Ixeris stolomifera
開花時期	４月から７月
特徴など	草丈は10センチぐらいで一見タンポポに似ていますが、葉の形が全然違います。直径2センチぐらいの舌状花を咲かせ地を這うようにランナーを出して繁殖する各地の山野で生育する多年草。畑を耕すたびに根茎が寸断され新しい苗となり蔓延ることから畑の作物にとっては害草とされる。葉は卵形で淡い緑色。　一方これとよく似たオオジシバリは草丈も30センチぐらいになり、花も直径3センチぐらいで、葉はへら形となり湿り気のある土質を好み田や畦道に多いという。
俗称	ハイジシバリ、少しでも土があれば岩之上でも生えるのでイワニガナとも、

■生育していたのは自宅の車庫と道路の間のコンクリートの僅かな割れ目で、そこだけは自動車の車輪が通過しない部分．．．凄い生命力(^^;

オニタビラコ(鬼田平子)

（　2005/05/01　撮影　晴時々曇、やや風強し　)
■埼玉県入間郡大井町

日本名	オニタビラコ(鬼田平子)
科／属	キク科オニタビラコ科
学名	Youngia japonica
開花時期	５月から１０月
特徴など	日本全国の道端や空き地に生育する草丈40センチぐらいの１、２年草で根生葉はロゼット状に広がるが、茎葉は殆ど目立たない。茎の頂点付近を中心に散房状に径8ミリ程度の花をつけ、全体としてトップヘビィでひょろ長い印象を与える。なお、開花する前の蕾の先はオレンジ色。風邪薬、結膜炎の漢方薬として用いられるとのこと。また春の花茎が立つまでの若葉、秋は冬越し前の根菜をそれぞれ天ぷら、油炒めにして食することができるとのこと。
俗称	方言としてアカツツラ、ウマゴヤス、チチグサ、ヤマフキなどがある。

■カタカナだと「オニタビラコ」は「オニタ　ビラコ」なのか「オニ　タビラコ」か一瞬戸惑います。もっとも漢字にすると「鬼田　平子さん」に読めるので余計分からなくなります(^^;　もっとも、図鑑などには大型のタビラコという意味で「オニ」が付けられたと記されていますが。
　野草の図鑑などでは花の開花は５月からとなっていますが、埼玉県南の自宅の周辺では４月の中旬からは咲いていました。
　左側の画像の撮影した場所は自宅の車庫裏のやや日当たりのよい建物の外壁のすぐ傍の雑草の中の雑草。右側は北東のブロック塀脇の水道メーターの傍で子どもの自転車がいつも置いてある場所。

ハルジオン(春紫苑)またはハルジョオン(春女苑)

（　2005/05/01　撮影　晴時々曇、やや風強し　)
■埼玉県入間郡大井町

日本名	ハルジオン(春紫苑)またはハルジョオン(春女苑)
科／属	キク科ヨモギ属
学名	Erigeron philadelphicus
開花時期	４月から５月
特徴など	北アメリカ原産の多年草で、大正期に観賞用として輸入されたものが日本各地に帰化したもので、草丈は30センチから60センチぐらいで花径は約２センチ位。花色は花弁の先端部分がピンク色になるものもある。これに対して同じ帰化植物のヒメジョオンは様子が酷似しているものの、①花期が10月ぐらいまでと長く②花径は約１センチと小さく③草丈が１ｍを超える場合もあり④蕾が開花前に下垂せず⑤花期に根生葉が残らず⑥葉柄が茎を囲まないなどの違いがある。
俗称	方言としてはソロッパ、テンチョウグサ、ビンボウグサなどがある(^^;

■食用にするには、秋から翌春にかけて、根葉または若い茎葉を摘んで生のまま天ぷらにすることができるそうです。空き地、野原、休耕畑、庭先などいたるところで目にします。
　写真のように、たしかに蕾がうなだれていますが、決して萎れている訳ではなく元々そういう性質だということのようです。なお、草丈はだいたいの目安らしくて、北側の日当たりのよくない場所に生えているものは85センチぐらいはあります。

トキワハゼ（常盤はぜ）

（　2005/05/01　撮影　晴時々曇、やや風強し　)
■埼玉県入間郡大井町

日本名	トキワハゼ（常盤はぜ）何時でも葉があり、果実がはぜるので付けられた名称とのこと。
科／属	ゴマノハグサ科サキゴケ属
学名	Mazus pumilus
開花時期	４月から10月
特徴など	草丈は６から20センチで日本全国あちこちに生育している１年草とのこと。田の畦などに生育する同種の多年草のムラサキサキゴケと酷似しているが、トキワハゼは匍匐せず、花の大きさも一回り小さい。
俗称	(^^;

■撮影場所は比較的日当たりのよい自宅の廊下から車庫へ出るコンクリートの敷石の間で、花の直径は８ミリほどで歳のせいでよく見ないと殆ど見えないぐらいの大きさでした(^^;

ハクモクレン（白木蓮）

（　2005/04/01　撮影　晴　)
■埼玉県入間郡三芳町竹間沢

日本名	ハクモクレン（白木蓮）
科／属	モクレン科モクレン属
学名	Magnolia heptapeta
開花時期	３月中旬から４月初旬
特徴など	紫色の花を付けるモクレンよりも高木で、この木の樹高はあまり大きくはなく凡そ約８ｍほどです。図鑑などによれば１５ｍにもなるものがあるそうです。葉が芽を出す前に開花しますので白い花が非常によく目立ちます。
俗称	ハクレンと地元の年配の方が話してました。

■撮影場所は勤務先の北風が吹き付けないかなり日当たりのよい場所で、すぐ隣にコブシとヒメコブシの木もあります。平成１７年はコブシの花とほぼ並行して３月中旬から咲き始めて、４月１日あたりが満開で４月10日ごろには殆ど散りました。
　時々樹木も登場します。ゆくゆくは図鑑のようなものになればと、遠大な野望を抱いたりしてます(^^;

シデコブシ（幣拳）

（　2005/04/01　撮影　晴　)
■埼玉県入間郡三芳町竹間沢

日本名	シデコブシ（幣拳）
科／属	モクレン科モクレン属
学名	Magnolia tomentosa
開花時期	３月中旬から４月上旬
特徴など	コブシとくらべて花の色がピンクで、花の形が正月飾りの四手（紙垂）に似ていることからこの名がついたとのこと。
俗称	ヒメコブシ（姫拳）、ベニコブシ。

■撮影場所はハクモクレンと同様の勤務先の北風が吹き付けないかなり日当たりのよい場所です。平成１７年はコブシや白木蓮の花とほぼ並行して３月中旬から咲き始めて、４月１日あたりが満開で４月20日ごろには完全に散りました。
　この木は樹高約4ｍで、蕾のうちは上品な淡いピンク色ですが、開花すると更に薄いピンク色になります。

フジ（藤）

（　2005/05/05　撮影　晴　)
■埼玉県入間郡三芳町上富多福寺境内

日本名	フジ（藤）
科／属	マメ科フジ属
学名	Wisteria floribunda
開花時期	４月下旬から５月上旬
特徴など	北海道以外の全国に生育するつる性落葉樹で、花房の長さは１ｍぐらいにもなります。花は花房の上方から咲き始め、蔓は上の方から見て時計回りに巻きつきます。
別名	ノダフジ

■撮影場所は曹洞宗三富山多福寺境内の本堂前の藤棚で、多少花びらが散り始めており時期的に幾分盛りを過ぎているかもしれません。

マンシュウアヤメ

（　2005/04/10　撮影　晴　)
■埼玉県入間郡三芳町竹間沢

日本名	マンシュウアヤメ
科／属	アヤメ科かと(^^;
学名	(^^;
開花時期	４月上旬から中旬
特徴など	小型のアヤメで花の大きさは径４センチぐらい。２花ほど咲きましたが、花の期間も短く３日ほどだったかと記憶してます。
別名	(^^;

■撮影場所は勤務先の北風の当たらない東側の日当たりのよい桜の木の下。散りかけた桜の花びらが左側に写っていますので花の大きさが分かるのではないかと。
　もちろん自生していたものではなく他から移植したものですが。

ハナニラ（花韮）

（　2005/04/24　撮影　晴　やや風あり)
■埼玉県入間郡三芳町竹間沢

日本名	ハナニラ
科／属	ユリ科
学名	Ipheion uniflorum
開花時期	４月上旬から下旬
特徴など	葉はニラに似ていますが幾分幅が広く、白いはなびらには縦に薄い紫色の筋がアクセントのように入って優雅な印象を与えてくれます。また、花径は約３センチほどで３枚ずつが２段に重なっています。
別名	トリテリア、セイヨウアマナとも

■撮影場所は勤務先の北風の当たらない東側の日当たりのよい桜の木の下。
　未だコブシノ花が咲いている４月の初旬から咲き出して、５月の連休前まで常に幾つかの花を咲かせていました。

シャガ（射干）

（　2005/04/17　撮影　晴　)
■埼玉県入間郡三芳町竹間沢

日本名	シャガ
科／属	アヤメ科アヤメ属
学名	Iris japonica
開花時期	４月
特徴など	草丈は40センチぐらいで、やや日陰の場所がよいようです。一つの花の命はたった一日限りですが、結構次から次へと開花していきます。三倍体の植物のため、実は結ばずに根茎からランナーを出して増殖する常緑多年草。
別名	コチョウカ（胡蝶花）

■撮影場所は勤務先の北風の当たらないやや日陰になった場所で、およそ10株ほどの花が元気に咲いていました。
　内側の花びらには模様がなく、外側のやや外縁部にギザギザのある３枚の部分に清楚な青紫と黄色の模様が入ります。だいぶ以前には自宅にも咲いていましたが、今はキボウシに取って代わられています。

ヒガンバナ（彼岸花）

（　2004/09/11　撮影　曇　)
■埼玉県入間郡三芳町竹間沢

日本名	ヒガンバナ
科／属	ヒガンバナ科ヒガンバナ属
学名	Lycoris radiata var. radiata
開花時期	９月
特徴など	花期の草丈は60センチ前後、比較的日当たりの良い場所に咲いていました。花の期間は約２週間ほど短かく意外な感じがします。葉は冬越ししたあと晩春に枯れるため、夏の間には地面の上には何もないのが、秋になると忽然として地中から花茎が真直ぐに伸びる。染色体数が三倍体のために結実せず、鱗茎にリコリンという有毒物質を含む。
別名	マンジュシャゲ（曼珠沙華）このほかシビトバナ、ジゴクバナ、ユウレイバナなど1000以上の別名（方言・俗称）があるという。これらは土葬の墓を獣から守るために植えられたことからついた俗称と考えられる。

■不必要なぐらいに鮮やかというよりも、寧ろ毒々しささえも感じさせる真紅の花びらが、強烈に目に焼きつきます。
　冷夏、多雨、旱魃などの天候の影響を受けにくい植物で秋の彼岸ごろに開花することから、この名が付けられたとのことですがあるといわれています。しかしこの年は猛暑のせいか、ヒガンバナといいながらも９月の彼岸入り前には花の盛りを終えました。
　ふと何故か、「赤い花ならマンジュシャゲ」というような歌があったとことを思い出しました。

モクレン（木蓮）

（　2005/04/22　撮影　晴時々曇　やや風強し)
■埼玉県児玉郡美里町円良田

日本名	モクレン
科／属	モクレン科モクレン属
学名	Magnolia quinquepeta
開花時期	ハクモクレンのあと４月中旬から５月初旬
特徴など	ハクモクレンと違い花の色は紫で、樹高も最大でも６ｍ程度。また、開花とともに葉も開くのでやや花が見づらい。
別名	シモクレン（紫木蓮）

■この円良田城の麓の道端にあった木蓮は樹高２ｍに満たないものですが、10センチ以上もありそうな鮮やかで大きな花びらをに咲かせていました。

トウモクレン（唐木蓮）

（　2005/04/14　撮影　晴　)
■埼玉県大里郡寄居町用土

日本名	トウモクレン
科／属	モクレン科モクレン属
学名	(^^;
開花時期	ハクモクレンのあと４月中旬から５月初旬
特徴など	モクレンとは違い花弁内側の色は白に近く、花弁自体が細身で、かつ小ぶりでやや先端が尖っている。
別名	ヒメモクレン（姫木蓮）

■この用土城跡の南側の畑に植えられていた木蓮は樹高１ｍぐらいの小柄なものでしたが、６から８センチ位の大きな花をたくさん咲かせていました。

アメリカフウロ（亜米利加風露）

（　2005/05/09　撮影　晴　)
■埼玉県入間郡大井町

日本名	アメリカフウロ
科／属	フウロソウ科フウロソウ属
学名	Geranium carolinianum
開花時期	５月
特徴など	北米原産の帰化植物で多年草の風露草の一種。草丈は約30センチぐらいで、花径は約10ミリほどの白地にやや紫色が加わったの５枚の小さな花弁をつけるが、葉の大きさに比べて花が小さいので余り目立たない。漢方薬のゲンノショウコもこの仲間。ほかにチシマフウロ、グンナイフウロ、タチフウロ、アサマフウロ、ハクサンフウロなど土地の名称が付けられた仲間も多い。
別名	(^^;

■葉はあちこちでよく目にしますが、真剣に花を観察したのは初めてです。それほど目立つ花ではありませんがこうしてよく見てみるとなかなかの味わいがあります。
　撮影場所は自宅の玄関脇のやたらと繁殖するハルジオンとオニタビラコの間で、本当に目立つことなくひっそりと咲いていました。


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