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栃木県佐野市の城館索引へ戻る 要谷山城遠景 要谷山城のバナー 要谷山城
1歴史・伝承 2残存遺構 3訪城記録・記念撮影 4アルバム 5交通案内 6参考・引用資料 7更新記録
関連ページへのリンク  2009年3月14日のブログ 要谷山館
所在地
 栃木県佐野市
歴史、人物、伝承

戦国末期の山城
 「佐野宗綱記」「栃木懸誌」などによれば、要谷山城(小野城)は天正年間の初めに佐野氏方であった小野兵部小輔高吉が、唐沢山城の支城として築城したものであるといわれています。
 しかし天正10年10月10日に足利長尾氏に内通した小曽根筑前により小野高吉は謀殺され、平時の居所であった麓の館も焼失し、これに伴い山城も自落し足利長尾氏の支配するところとなったものと推定をされます。
 田代善吉氏の「栃木県史」(第7巻)によれば、小曽根筑前は戦国時代末期の元亀天正の頃、足利家臣(長尾顕長の重臣)として小曽根城を居城とし、館林、金山をつなぐ重要な拠点であったといいます。また「長尾顕長分限帳」(長林寺蔵)によれば、名草城の押番(城代か)として小曽根筑前守が150貫文を知行していたことが記されています。

確認可能な遺構
 主郭、帯郭、腰郭、堀切、石積、井戸跡ほか
文化財指定
 なし
訪城年月日
 2009年3月14日 15時30分から17時15分
訪城の記録 記念撮影

 単郭の山城とはいうものの、主郭周辺には野面の石積み遺構も現存しています。このほかに南北の稜線を中心に堀切3条、腰郭3群を伴います。比較的コンパクトではあるものの、丁寧に見学しようとすれば、本格的構造を有する山城なので往復所要時間を含めて3時間は欲しいところです。
  東側は登攀困難な急斜面を形成し、 山頂の主郭からは彦間(飛駒)の集落が一望できます。監視のための物見であるとと同時に、在地領主の詰城としても相応しい規模と立地条件が具備されているようにも思われます。
 麓からの比高差は約170mで、登攀所要時間はのんびりあるいても約30分ですが、わずかこの程度の比高差で息切れしてしまうという厳しい現実に直面しました。過去には実質比高差1千m以上の山に、少なくとも100回以上登攀していたとは自分でも全く信じられない体たらくです。やはり30年以上の歳月というものは、あくまでも冷酷に体力の著しい低下現象を招来するものなのでありましょう。

( 2011/9/29 記述 )
要谷山城の遠景
要谷山城の遠景 −画像A−
( 2009年3月14日 撮影 )

(注1) 「矢印と番号」は、およその撮影地点と方向を示しますがあくまでも大雑把なものに過ぎません。
(注2)なお、この「概念図」については「関東地方の中世城館 5 栃木・群馬」掲載の情報を基に、現地での印象を加味して作成しています。

要害山城の概念図 ⇒ 画像クリックで拡大します
訪城アルバム
帯郭 ⇒ 画像クリックで拡大します
石積 ⇒ 画像クリックで拡大します
凸1 帯郭
 主郭直下を南西部の一部を除いて周回している帯郭で、画像のように東側斜面は特に急傾斜を形成して、この方面から攻め寄せることを困難にさせています。
凸2 石積
 主郭北部直下の帯郭を補強している石積み遺構で、この場所以外にも2か所ほど同様の遺構を確認できます。

堀切 ⇒ 画像クリックで拡大します
「」 北尾根の堀切⇒ 画像クリックで拡大します
凸3 堀切
 主郭北部に近い堀切で、主郭側の深さは約3m、幅約10mほどを測る見応えのある遺構です。
凸4 北尾根の堀切
 主郭から北側にのびる尾根筋の堀切で、一見すると二重堀切のようにも見えますが上段部分は腰郭の切岸部分に相当します。
交通案内

・比高差約170m(ルートは概ね良好で、上りの所用時間は約30分ほど)

いつもガイド の案内図です いつもガイドの案内図

凸参考・引用資料
太字の資料は特に関連が深いもの、あるいは詳しい記述のあるもの)

■城郭関係
「関東地方の中世城館1栃木・群馬」(2000/東洋書林)
「日本城郭体系 4」(1981/新人物往来社)
「日本城郭全集 2」(大類 伸 監修/1967/人物往来社)

■郷土史・歴史関係
「角川地名大辞典栃木県」(1984/角川書店)
「佐野市史 通史編上」(1978/佐野市)
「栃木懸誌」(船橋一也/1904年の復刻版/歴史図書社)
「田沼町史第3巻資料編2原始・古代・中世」(1984/田沼町)

・2011/09/29 HPアップ
・2019/06/12 画像ズレ補正
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