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	大家城
関連ページのリンク	2004/11/08の日記
所在地	埼玉県坂戸市森戸600番地付近
歴史と沿革	「新編武蔵風土記稿」の森戸村の条に「北条役帳に30貫文河越森戸久米玄蕃とみえたれば．．．」とあり、「小田原衆所領役帳」によれば後北条氏の家臣馬廻衆久米玄蕃の所領であったことが伺える。なお現存する小田原衆所領役帳では、久米玄蕃の森戸の所領は35貫となっており、ほかに相模の西郡別堀、東郡瀬谷とあわせて101貫67文を領していた。ただ、「小名、玄蕃分、乾にあり．．．久米玄蕃なるものの居跡なりしや、されば今も小名にのこるならん」とし、久米玄蕃の屋敷は森戸村の南にある四日市場村にあったらしいと「新編武蔵風土記稿」は伝えている。しかし、「坂戸市史」では知行地があったのみで、屋敷（四日市場の玄蕃屋敷）があったかどうかについては、現状から確認できないとしている。いずれにしてもこれらのことからみて、おそらく後北条氏の出城であったものと推定される。
確認できる遺構	土塁、空掘
構造的特徴および周辺の地理的特徴	坂戸台地の中部高麗川方面をよく見渡すことができる舌状大地の西北の端に位置しており、西側の比高は約6ｍ程となっているが、南東側は大地と平坦に続いており当時は空堀などの防御が施されていたものと推定されるが、県道とその屋並が続いておりそれらの遺構を確認することはまったく困難である。また、当時においては西側に高麗川を含む水田地帯が広がりを見せていたともの推定される。神社部分の平場はおよそ1200㎡程度と思われる。
参考資料、古文書、記録	「坂戸市史」(1992年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸の歴史--坂戸市文化財ガイド」(1992年坂戸市教育委員会編集発行) 「坂戸市史--中世資料編1」(1987年坂戸市教育委員会編集/坂戸市発行) 「坂戸風土記--坂戸市史調査資料第１号」(1978/坂戸市教育委員会発行) 「中世の坂戸」（1996年坂戸市教育委員会編集発行）「中世北武蔵の城」（梅沢太久夫　著　2003/岩田書院刊）
文化財指定	無
訪城年月日	2004/11/08
訪城の記録	<<2004/11/08>>　大家城は東武越生線西大家駅の県道を挟んで北側にある、こじんまりとした森戸神社の境内そのものということです。ただ交通量が多い割には幅員の狭い県道沿いなので、駐車場所に少し苦労してしまいました。結局、一番支障の無さそうな消防団の車庫脇にある袋地の坂の奥に止めさせていただいた。本曲輪跡といわれている所に明らかな土塁と西側の斜面に空堀らしき溝状のが確認できたほかは何も見当たらない。空堀と思われるものは、現在雨水排水のための設備が上部に埋め込まれており、確証が持てませんが、防御上の横堀のような役割を果たしていたように見受けられるのです。　神社といってもものすごく立派な社殿があるわけではなく、どこに賽銭をおいたらよいのか迷ってしまうほどに閑散としていました。後で地図を見ていて気がついたのですが、ここにはもうひとつ秋葉社という社もあったので分かりにくかったようです。
	■内側の土塁の高さは最も高い所で1ｍぐらい、長さ約15ｍというところです。土塁が遺されているのはこの部分だけで、ほかには見つかりませんでした。地面と土塁の境は写真左中央部分にブロックの土留めがあるので分かりやすいと思いますが。　　<<2004/11/08　撮影　晴れ>>
交通アクセス	東武越生線西大家駅より北へ徒歩1分、車で北側からくる場合には県道74号線踏み切り手前の右側森戸神社の境内。

<<2004/11/08　撮影>>

	これがその斜面に穿たれている空堀のような溝。下にある宅地との関係を考えると後の時代のものと考えるのは不自然な感じがしますが、状態がよすぎるのも気になります。幅2間以上、深さは人の背丈程度の所もあります。ただ最上部にあるコンクリート製の構造物との関係が気になります。この水路はそのまま真直ぐに高麗川方面に向かっているようです。写真は上方から下方を見たところです。
	南西の茶畑の所から曲輪を見上げるとこんな感じです。
	森戸神社の鳥居と説明版。城跡についての記述は残念ながら何もありません。説明内容は坂戸市の無形文化財「秋葉社による森戸の獅子舞」について書かれていますが、文字の剥離がひどく現物でもよく読めません。
	「空堀」の下方から上方を見上げた所。左側が曲輪。上部にコンクリートの構造物が小さく見えます。

　

　

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