地元の小川城址保存会の案内板によりますと、この辺りに陣屋の中心となる寝所（御殿の一部か）が置かれていたと考えられているようです。すでに小川城廃城から半世紀近くを経過したかつての城跡の一画であったようですが、かつて明応元年(１４９２)小川家初代(沼田氏の分流、分知７００貫文、約３５００石ともいわれる)となった小川景秋(岡林斎)が居住したという小川城の築城経緯にも重なります。

　戦後間もない時期に当時の在日米軍により撮影されたもので、国道２９１号線により分断され現在では目にすることができない二の丸の堀跡と形状など含め本丸、笹郭などの縄張りも確認できます。陣屋跡は旧道である県道２５３号線と国道２９１号線に挟まれた辺りに所在していた模様です（下記の案内図と上記案内板の所在地などから推定しました）

凸参考・引用資料
（太字の資料は特に関連が深いもの、あるいは詳しい記述のあるもの）

■城郭関係資料
「関東地方の中世城館　５　栃木・群馬（「群馬県の中世城館跡１９８８」）」（2000/東洋書林）
「日本城郭大系　４」（1979/新人物往来社）
「日本城郭全集　３」（大類　伸　監修/1967/人物往来社）
「群馬の古城　全３巻」（山崎　一　著/2003/あかぎ出版）

■郷土史・歴史
「図説群馬の歴史」（1989/河出書房新社）
「史料で読み解く群馬の歴史」（2007/山川出版社）
「群馬県の歴史散歩」（2005/山川出版社）
「群馬県の歴史」（1997/山川出版社）
「戦国史　上州の１５０年戦争」（上毛新聞社）
「角川日本地名大辞典　群馬県」（1988/角川書店）
「図説真田一族」（2015/戎光祥出版）
「戦国大名家辞典」(2013/東京堂出版)
　※同書によれば、「上野邦利根郡の国人　。同郡小川発祥。赤松則村の末裔と伝える。上杉謙信に属した沼田衆の筆頭格。永禄１２年(１５６９)の北条氏との和睦交渉で上杉方の使者として活躍している」と記されているのみで、生年、没年などの記載は無い。
「増補改訂　戦国大名と外様国衆」(/戎光祥出版)
「日本史諸家系図人名事典」（２００３/講談社）

■史料
「日本城郭史料集」（1968/大類　伸　編集）　　※諸国廃城考、諸国城主記、主図合結記を所収
「群馬県史料集　別巻１古城誌篇」（1969/群馬県文化事業振興会）
　※高崎城大意、上州古城塁記、上毛古城記、上毛古城塁址一覧を所収
「戦国軍記事典―群雄割拠編」（1997/和泉書院）

■データベースほか
「マッピングぐんま」（群馬県遺跡データベース）
「国土地理院航空写真」
「加沢記」（国立国会図書館デジタルコレクション　※ダウンロード可能）

・２０１８年１月１３日　ＨＰアップ