群馬県内の市町村別城館跡の目次へ
トップ頁へ戻る 群馬県内の市町村別城館跡の目次へ 画像掲示板へ 「ほっつきブログ」へリンク 頁の最後へ移動
 素人の趣味のため思い込みと間違いについては平にご容赦を。 お気づきの点などございましたらご教示いただければ幸いです。 
群馬県富岡市の城館索引へ戻る 浅香入城北側からの遠景 浅香入城のバナー 浅香入城の主郭堀切
1歴史・伝承 2残存遺構 3訪城記録・記念撮影 4アルバム 5交通案内 6参考・引用資料 7更新記録
関連ページへのリンク  2011/01/05のブログ 茶臼山の砦
所在地
 群馬県富岡市南後箇字中平
歴史、人物、伝承

伝浅香弾正居城
 浅香弾正の居城したとの伝承が残されている以外には不明とされている。戦国期には周辺の小規模城郭群と同様に国峰城を本拠とする小幡氏の影響下に置かれていたものと想定されるが委細不明である。
 稜線上の郭面は狭隘であり多く見ても数十人が籠ることができるかどうかという小規模な山城であることから、のちに永禄年間に入り甲斐武田氏による西上野進攻の開始に伴い自焼、自落というような落城の道を辿ったものとも考えられるが、これも無論憶測の域を出るものではない。

確認可能な遺構
 主郭、郭、腰郭、堀切
文化財指定
 なし
訪城年月日
 2011年1月5日 13時00分から14時15分
訪城の記録 記念撮影

( 2011/01/11 ) 記述
 カモシカとの遭遇
 この日最初に訪れた茶臼山の砦で怪しげな腰郭の観察に思いのほか時間と体力を浪費してしまいました。それでも次の目的地に進むという気力を支えたものは、北茶臼山古墳の中腹から眺めた浅香入山方面の遠景でした。遠望する範囲では城跡に該当しそうな山容は3か所ほどが視界に入りました。
 当初は徒歩でそのまま城跡南部の集落を経由して谷筋を登りつめるルートを想定。しかし、独立丘陵最北端に所在する額部神社社殿へと向かう石段を目にして急遽予定変更。何といっても神社へ階段を上がれば確実に比高差を稼ぐことができるとともに、新年の初詣も叶うという充実したプランなのでありました。因みにこの方面からの比高差は約110mほどですが、ただひたすら城跡方面に向かい南下する稜線ルートは眺望にすぐれないことを除けば道を誤るような可能性も皆無で藪も少なく快適そのものでした。
 なお途中で資料収集の段階から気になっていた平場状地形(たぶん耕作地跡)を確認し、その後複数の堀切状地形(⇒たぶん里道であった可能性大)、竹林の中の切岸、腰郭状地形(不明)などを通過。 その途中で大型哺乳類に遭遇を。始めはその跳ね跳ぶ姿から野兎のようにも見えたのですが、尾根筋上などに点在する糞やその体格の大きさからカモシカに間違いなさそうでした。ただし麓の集落内に設置されていた注意書きによりますと、イノシシの出没も少なくないようでした。
 肝心の城跡遺構のうち目ぼしいものは主郭北部の堀切なのですが、落葉の堆積などにより埋没していました。北部に残存している筈の腰郭も、自然地形との区分が不明瞭で尾根筋上の北郭(仮称)の切岸部分もやや不鮮明。主郭と推定されている部分は縄張り図よりもやや幅広の地形を呈していました。
 さて予想外のものは、城跡南側斜面の岩場の存在。岩場の斜度自体は大したことがないものの、落葉で滑りやすく掴まるものもない状況で、体を支えるためにふと掴んだ枝が棘の類。一度尾根筋を下りかけ下山ルートを確保し、再び斜面を這い上がり城跡南西部の鞍部へと下り、沢沿いの藪の状況を確認。再び東側の尾根筋方向へと戻り、沢筋の旧道跡まで孟宗竹に掴まりながら下山。
 この下山ルートの比高差は約80m前後ですが、明確な踏み跡は殆ど消失していました。なお下山の間際から右膝関節痛に加えて腰痛も発症。さらにこれに昨年来からの左足親指爪先の痛みも再発。歩数計上では僅か1万3千歩足らずの低山ハイキングでした。また急斜面などでの慎重な動作は歩数計に反映しないことも判明。このようにさして比高差のない低山さえも、この疲労困憊ぶりに我ながら茫然自失しながら痛む足を引きずりつつトボトボと集落内の道を戻ることになりました。
 このように筋力、心肺機能など体力面での衰えは最早確定的といっても過言ではなく、 残るは僅かばかりの気力と余り当てにはならない経験くらいのものなのかも知れません。こうなってくるとある程度のレベルでの山城探訪が可能なのは、この先それ程長くも無さそうにも思えたのでありました。

(追記)
なお、この時に痛めた左足親指は2013年に日帰り手術したものの、その後さらに白癬菌に感染して肥厚爪と化してしまい漸く完治したのは6年後の春先となりました。


浅香入城北方よりの遠望 ⇒ 画像クリックで拡大します
浅香入城北方よりの遠望 −画像A−
( 2011/01/05 撮影 )


(注1) 「矢印と番号」は、およその撮影地点と方向を示しますがあくまでも大雑把なものに過ぎません。
(注2)なお、この「概念図」については「関東地方の中世城館 5 栃木・群馬」掲載の情報および「電子国土」の地形図等を基本に現地での印象を加味してあります。。

浅香入城概念図 ⇒ 画像クリックで拡大します
訪城アルバム
峰城および浅香入城方面 ⇒ 画像クリックで拡大します
額田神社境内南側尾根筋の登り口
凸1 峰城および浅香入城方面
 茶臼山の砦南斜面から眺めた南方の城郭群の遠景です。茶臼山の砦から浅香入城までの道程は約2.5kmほどを測りますが、城跡の山麓付近に駐車可能なスペースが無さそうでしたのでそのまま徒歩でアプローチしました。
凸2 尾根筋の登り口
 額部神社境内南側には浅香入城へと続く一本道があります。無論途中多少の藪はありますが、尾根筋を外さずにただひたすら約700m(所用時間約25分)ほど南進すれば、まず道に迷うようなことも無く浅香入城の北側へと到達することができます。

山境または里道跡か
竹林内の平場 ⇒ 画像クリックで拡大します
凸3 山境または里道跡
 稜線上を横切るように所在していた明らかに人工的な段差で、最大約1mほどの高さを有しておりました。山林の境界あるいはかつての里道跡のようなものなのかも知れません。
凸4 竹林内の平場
 尾根筋から見ると高さ4mほどの急斜面の下方に所在している東側斜面の平場状地形です。その辺縁部はさらに麓に向かって切り落とされた様子も窺えますが、南方の城跡本体との相互関連は不明です。

北郭と腰郭 ⇒ 画像クリックで拡大します
主郭北側の堀切 ⇒ 画像クリックで拡大します
凸5 北郭と腰郭
 中世城館調査掲載の縄張図からは西側の腰郭部分と尾根筋上の北郭(仮称)の間に明確な切岸が存在しているような印象も抱きますが、現況では幾分曖昧な印象があります。
凸6 主郭北側の堀切
 西側から撮影したもので竪堀は伴わず、深さ1.5mから2.5mほどの規模を有しておりました。残念ながら画像のように大分埋没がすすんでいるようで、感動的な山城特有の堀切遺構との対面という訳にはいきませんでした。

主郭北側の堀切 ⇒ 画像クリックで拡大します
主郭 ⇒ 画像クリックで拡大します
凸7 主郭北側の堀切
 画像6の個所を東側から逆光を意識して撮影を試みましたが、その意に反して地味な画像となってしまいました。
凸8 主郭
 主郭北側部分は概ねほどよく削平され中間部での最大幅は目測で12m前後の個所もあります。

主郭南側の段差
主郭南側 ⇒ 画像クリックで拡大します
凸9 主郭南側の段差
 主郭北側部分よりも明らかに約50cmほど郭面が高くなっております。北側部分とは別郭として捉えるには僅かな段差でしかありませんが、現地での印象では別の機能を有していたようにも思われます。
凸10 主郭南側
 主郭北側部分と比較すると尾根筋の地形の制約を受けて南西方向へ向きを変えるとともに、先端部に進むにつれて先細りの地形となっています。

主郭南端部斜面 ⇒ 画像クリックで拡大します
南斜面の岩場 ⇒ 画像クリックで拡大します
凸11 主郭南端部斜面
 落葉に埋もれて分かりにくいのですが、南端部の斜面は途中から露岩の岩場となっているため下山ルートとしては余り相応しくはないようです。
凸12 南斜面の岩場
 本来の城道はたぶんこの大岩を目印に迂回するように巻いていたものと推定されますが、落葉が堆積しているため本来のルートが半ば不明となっておりました。

南側谷筋ルート ⇒ 画像クリックで拡大します
浅香入城全景 ⇒ 画像クリックで拡大します
凸13 南側谷筋ルート
 以前には画像中央部の真っ暗に見える谷筋を西へとすすみ、小さな尾根筋を過ぎた辺りから北側の谷筋へと向かう旧道が所在していたものと推定されます。
凸14 浅香入城全景
 東麓の集落内の道路から撮影したもので、主郭の南側の竹林を下る際には、孟宗竹に掴まりつつ半ば滑り降りるように下山して参りました。
交通案内

いつもガイド の案内図です いつもガイドの案内図

凸参考・引用資料
太字の資料は特に関連が深いもの、あるいは詳しい記述のあるもの)

■城郭関係資料
「関東地方の中世城館 5 栃木・群馬」(2000/東洋書林)
「日本城郭体系 4」(1979/新人物往来社)
「日本城郭全集 3」(大類 伸 監修/1967/人物往来社)

■郷土史
「富岡市史 自然編、原始・古代中世編」(1987/富岡市)

■史料
「群馬県史料集 別巻1古城誌篇」(1969/群馬県文化事業振興会)
 ⇒ 高崎城大意、上州古城塁記、上毛古城記、上毛古城塁址一覧を所収

・2011/01/11 HPアップ
・2019/05/27 追記/画像位置訂正
トップ頁へ 群馬県内の市町村別城館跡の目次へ この頁の最上段へ移動