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群馬県吉井町の城館索引へ戻る  天久沢陣城 天久沢陣城のバナー 天久沢陣城
1歴史・伝承 2残存遺構 3訪城記録・記念撮影 4アルバム 5交通案内 6参考・引用資料 7更新記録
関連ページへのリンク  2008/10/30のブログ 新堀城
所在地
 群馬県高崎市吉井町矢田天久沢(旧吉井町)
歴史、人物、伝承

永禄6年の武田氏陣城とも
 長野氏と武田氏の攻防を記した「箕輪軍記」によれば、永禄6年(1563)に甲斐の武田信玄が西上州の攻略をすすめるなか、一郷山城、新堀城(多比良城)を落城させたのちに、この地に陣を張ったとされている。これが天久沢陣城であるが、この陣城で信玄の愛馬「天久」が亡くなったため同年3月に馬頭観音を建立し、これが現在の天久沢観音堂の起源とされている。
 なお、武田氏による箕輪長野氏への本格的攻略は永禄9年とする説もあることから、この陣城の築城時期についても確定したものとはいえないようである。
 「吉井町の文化財ガイドブック」によれば、いちおう本郭および堀と帯郭の跡が所在するとの旨が記されているが、後世の公園化等に伴い往時の面影を明確に伝える遺構は多いとはいえない状況であった。

確認可能な遺構
 郭ほか
文化財指定
 なし
訪城年月日
 2008年10月30日 12時20分から13時10分
訪城の記録 記念撮影

( 2010/12/26 )
 整備された公園
 ほぼ全域が公園化されていることから藪と薮蚊には悩まされずにすみます。また主郭上のトイレもこの類のものとしては驚くほど綺麗に管理されていて感激しました。しかし陣城跡としては些か整備されすぎたというのが正直な印象でした。詰まるところ主郭部の周辺を除けば、その現状を観察する限りでは流鏑馬など地元の祭礼、観音堂の整備、天久沢公園としての整備などに伴い、かなりの後世における地形改変が行われた様子が窺えます。
 眺望自体は丘陵先端部に所在していることから、尾根続きの西側を除き当面の標的となる多胡、石神、小串、黒熊など北方の見晴らしは極めて良好な環境にありました。しかし臨時の陣城としても、東西100m、南北50mの規模は余りに小さいという印象もあり、同じく武田氏の陣城とも伝わる堂城館を含む南西に続く牛伏山からの丘陵地帯全体に展開しないかぎり万余の大軍(「箕輪軍記」では3万5千人)の駐屯を受け入れることは難しいものと思われました。
 また西側の尾根続きには堀切の防御が欲しいところですが、後世の宅地化などの影響によりその形跡を確認することは困難でした。
 ※2年以上前の探訪ですので、何某かの記憶違いが含まれている可能性があります。  

天久沢陣城 ⇒ 画像クリックで拡大します
天久沢陣城主郭付近
( 2008/10/30 撮影 )
訪城アルバム
陣城西側の斜面 ⇒ 画像クリックで拡大します
天久観音堂付近 ⇒ 画像クリックで拡大します
凸1 陣城西側の斜面
 舗装道路の建設などによりどの程度まで以前の様子を留めているのかは皆目不明ですが、陣城西側小口付近の斜面の様子で、かなり無理をすれば切岸と言えなくもないようにも(笑)
凸2 天久観音堂付近
 観音堂の建立されている東側から撮影したものですが、主郭部と推定される郭面や切岸が往時の面影をどれほど伝えているのかは分かりかねました。
 ⇒天久沢観音堂の由来
交通案内

いつもガイド の案内図です いつもガイドの案内図

凸参考・引用資料
太字の資料は特に関連が深いもの、あるいは詳しい記述のあるもの)

■城郭関係
「関東地方の中世城館 5 栃木・群馬」(2000/東洋書林)
「日本城郭体系 4」(1979/新人物往来社)

■郷土誌・歴史関係
「吉井町誌」(1969/吉井町)
「中世吉井の城館跡」(1991/吉井町教委)
「吉井町の文化財ガイドブック」(2006/吉井町郷土資料館)
「角川日本地名大辞典 群馬県」(1988/角川書店)
「群馬県多野郡誌(1927刊行の復刻本)」(1994/春秋社)
「図説群馬の歴史」(1989/河出書房新社)
「史料で読み解く群馬の歴史」(2007/山川出版社)
「群馬県の歴史散歩」(2005/山川出版社)
「群馬県の歴史」(1997/山川出版社)
「多野藤岡地方誌」(1976/多野藤岡地方誌編集委員会)

■史料・地誌関係
「群馬県史料集 別巻1古城誌篇」(1969/群馬県文化事業振興会)
 ※高崎城大意、上州古城塁記、上毛古城記、上毛古城塁址一覧を所収
「上野資料集成」(1917/煥釆堂本店)  ※上野志、上州古城塁記、上毛国風土記、伊勢崎風土記を所収
「上野名跡誌」(嘉永6年/富田永世)1976関東資料研究会による復刻本
「箕輪軍記」(1976/関東史料研究会)
「戦国軍記事典−群有割拠編」(1997/和泉書院)


・2010/12/26 HPアップ
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