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カラタチ 枳殻 唐橘 キコク ミカン科カラタチ属 中国原産 落葉低木 花の図鑑 植物図鑑 植物 画像 写真 フリー画像 加工自由の画像 ⇒ 画像クリックで拡大します
扁平な枝と鋭い棘も特徴があり、昔は民家の生垣にも利用されていました
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撮影場所 東京都文京区 ( 2017年5月4日 撮影 晴れ ) 白花

日本名 唐橘(カラタチ、枳殻、枸橘とも表記)
⇒中国の蜜柑であるカラタチバナが省略されたものともいわれています(カラタチの古名とも(「新選字鏡」)
科/属 ミカン科カラタチ属
学名 Poncirus trifoliata (L.) Raf. (ポンキルス トリフォリアタ)
開花時期 4月から5月
特徴など 中国の長江(揚子江)上流地域の原産の落葉低木ないし小高木であり、わが国にはかなり古く8世紀の遣唐使の時代頃に多くの万物などとともに伝来したものと推定されているようです。
ひろく日本国内の各地でされて昔から生垣や柑橘類の台木として利用されましたが、野生化して自生しているものも多くみられるとされています。
学名のトリフォリアタは3枚の小葉(三出複葉の互生)があることに因み、葉が変形したと考えられている棘は2cmから3cmの長さがあり、その鋭い棘の先端部分にはさらに研ぎ澄ましたような印象さえ感じさせます。
5弁花の白花は花弁の基部の間隔が広がったへら型で花径は約3cmほどで、若葉が茂りはじめる前の時期に開花します。
雌蕊の花柱は1本ですが、雄しべは20本あり、10月頃には芳香のある径3cmから5cmのピンポン玉によく似た黄色い球形の果実が実ります。
果実には苦みのある(あるいは酸味が強いとも)ことから生食には向きませんが、果実酒には利用でき、乾燥させた果実は生薬(※「大辞泉」によれば、未熟果実を健胃剤に用いたとも)にも使用されたようです。
変種には枝などが捻じれるヒリュウ、ウンリュウなど、品種には斑入りのフイリカラタチもあります。

また、タチバナは同じミカン科の日本原産の唯一の柑橘類で、似たような名前のカラタチバナはヤブコウジ科の常緑低木で別名をタチバナコウジ、タチバナとも呼ばれ、盆栽などとして観賞用に栽培されていますが全くの別種です。

花言葉には有名な「からたちの花」や「からたち日記」など、よく歌に歌われていることからも、「思い出 」「温情」「泰平」「心に沁みる」など抒情的な内容のものがあるようです。

※参考にした図鑑類
「園芸植物」(1998/山と渓谷社)
「花と木の名前1200がよくわかる図鑑」(2005/主婦と生活社)
「樹木ガイドブック」(1997/永岡書店)
「木の名前がわかる事典」(2005/成美堂出版)
「散歩の樹木図鑑」(2014/新星出版社)
「よくわかる樹木大図鑑」(2016/永岡書店)
「樹木図鑑」(2014/成美堂出版)
「日本の樹木500超!」(2017/栃の葉書房)
「散歩で見かける街路樹・公園樹・庭木図鑑」(2012/三省堂書店)
「園芸植物大事典」(1994/小学館)※解説が詳しい
「四季花こよみ 春」(1988/講談社)

※参考にさせていただいたサイトなど
「みんなの趣味の園芸」
「植物園にようこそ!」
「筑波実験植物園/植物図鑑」※観察などの記述が詳しい
別名
俗名
方言
別名には「枳殻」(キコク、漢名を音読みしたもの)、「けず」などがあります

観察の記録など

( 2017/05/04 )
右膝の傷跡
 都内にある「小石川植物園」の標本園で撮影したものですが、この鋭い棘のある画像を整理していて思い出したことがありました。お陰様でいままでにカラタチの棘が刺さったというような恐ろしげな記憶はありませんが、昔は似たような人工物に「有刺鉄線」通称バラ線とも、たぶん棘のように加工した部分がバラの棘のようなものであったこと、あるいは棘をまいた塊がバラの花のような形をしていたことなどによるものなのでしょうか)がありました。むろん現在のように洗練された形状の有刺鉄線とはほど遠い、武骨な細工の施された針金細工のようなものです。当時住んでいた都内の山手線沿線の住宅地や空き地には、よくこの「有刺鉄線」(地上部の長さ1.2メートルくらいの杉丸太の杭を敷地境界に沿って2m間隔くらいで地面に直接打ち込み、これに有刺鉄線を3段ないしは4段地面と水平方向に張り巡らせるもの)が外部からの侵入者を拒んでおりました。それはたぶん小さな空き地で草野球のようなことをして遊んでいた時のことだと思います。取り損ねたボールを探しに空き地近くの民家の庭先を探した際に、頭の方は無事通過したものの、足の方は見事にこの「有刺鉄線」(しかも少し錆びついていた)に阻まれました。その時には切り傷を負ったという自覚は殆どありませんでしたが、自宅に帰ると子どもとしてはかなりの深手に不覚にも落涙。その後は幸い破傷風などを併発することもなく、記憶では医者にもいかずに治癒していったようです。果たして肝心の大切なボールが見つかったのかどうかは全く記憶していません。その代わりに右膝の外側に、60年が経過したにもかかわらず今もくっきりと残る長さ5cmほどの傷跡がその経緯を物語っておりました。
 なおこのカラタチの花を撮影した直後に、よっこらしょと腰を伸ばして何気なくふと振り返ると、東側の方角にはその白い花が雪が降り積もったようにも見える見事なヒトツバタゴの大木がこちらを見下ろしておりました。60年ほど前にも小学校の遠足で訪れた植物園でもあり様々な縁を感じさせてくれました。


・2017/06/02 HP作成


カラタチ


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