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群馬県吉井町の城館索引へ戻る  矢田城 矢田城のバナー 矢田城西側の土塁と空堀
1歴史・伝承 2残存遺構 3訪城記録・記念撮影 4アルバム 5交通案内 6参考・引用資料 7更新記録
関連ページへのリンク  2008/10/30のブログ
所在地
 群馬県高崎市吉井町矢田(旧吉井町)
歴史、人物、伝承

中世城郭から近世陣屋へ
 「中世吉井の城館跡」などによれば、近世以前には現藤岡市の小林地域に勢力を有した小林氏一族の城館であるものと考えられ、長根城主であった小林重秀の弟政忠の子政久が城主となったともいわれているが、以前より小林姓の旧家が居住しているという事実を除いてその築城時期や歴史的経緯については不明な部分も少なくないものと考えられ、またおそらくは遅くとも元和年間以降には、実質的に城館としての役割を終えていたものと推定される。
 その後近世に入り宝永6年(1709)上野4郡、上総2郡7千石を知行されていた松平(鷹司)信清が上野4郡内に3千石を加増され矢田陣屋が置かれたが、宝暦年間(1751−1764)に吉井陣屋へと転居して矢田陣屋は廃城となったものとされている。なお「吉井町誌」の記述によれば、松平氏の陣屋移転は宝暦2年(1572)との説もある。
 陣屋跡は矢田川左岸の台地上に占地し、現存する遺構などから南北約130m、東西約100mの南北に小口を有する単郭と推定されている。中世城郭から近世陣屋として利用されるにあたっては、所用の改修が行われた可能性も想定されるため、中世城郭当時の縄張りの詳細については不明である。
 また隣接する城跡の北側には吉井藩の矢田代官所跡が残されている。

確認可能な遺構
 土塁、空堀ほか
文化財指定
 なし
訪城年月日
 2008年10月30日 14時00分から14時30分
訪城の記録 記念撮影

( 2010/12/23 )
 複雑な経緯の城郭
 上信越道の側道から多分この辺りかと思い、幾分道路の幅員が広がりをもつあたりで車を止め現在位置を確認。次に幾分度の合わなくなり始めた遠近両用眼鏡を額の上に上げつつ、どうにか焦点を合わせながら資料を確認。そこでふとなにげなく道路の反対側(右側)に目を転じると、屋敷林に囲まれた大きな屋敷構えの民家が目に入ったことを未だ克明に記憶しています。
 すると何と目の前の西側の道路沿いには、紛れもない空堀を前面に配した4mほどの高土塁が所在していたのでありました。城郭遺構自体は城跡の西側と北側の一部とはいえ、宅地の周囲にこれほどの壮大な規模の遺構が存在しているとは全く予想だにしていなかったため暫しの間感動のあまり茫然としておりました。。
 城内は個人宅地内のために道路沿いから遺構を拝んだのち、道路沿いに郭の西側部分をぐるっと一周して、そのままほぼ隣接した北側の矢田代官所跡へと向かいました。なお、城跡南東部に竪堀地形が残されている旨の情報もありましたが、この時には見通しの利かない藪の中に突入する気概を欠いていましたので未確認のまま2年以上の月日が流れています。このため遺構の状況等については、あくまでも探訪当時のものとなっています。


矢田城全景 ⇒ 画像クリックで拡大します
矢田城、矢田陣屋
( 2008/10/30 撮影 )


(注)「矢印と番号」は、だいたいの撮影地点と方向を示していますが厳密なものではありません。
 この概念図は「中世吉井の城館跡」などを参照して作成したものです。
矢田城(矢田陣屋)概念図 ⇒ 画像クリックで拡大します
訪城アルバム
矢田城西側土塁と空堀 ⇒ 画像クリックで拡大します
矢田城北側土塁と空堀 ⇒ 画像クリックで拡大します
凸1 西側土塁と空堀 画像1−1
 堀底面からは最大で4m近い高さを有する高土塁が残されておりました。なおかつては空堀跡を挟んだ公道沿いにも並行する低土塁跡が確認された模様ですが、この時点ではかなり分かりにくくなっていました。
 同じ西側土塁を南側から撮影したもの⇒画像1−2
凸2 北側土塁と空堀
 北側部分と土塁遺構等が交わる城跡の北西角部分を撮影したものです。西側部分の遺構がそのまま東側へと続いていましたが、北側小口の付近より東側の部分については近年の宅地化などによりその形跡が失われておりました。
交通案内

いつもガイド の案内図です いつもガイドの案内図

凸参考・引用資料
太字の資料は特に関連が深いもの、あるいは詳しい記述のあるもの)

■城郭関係
「関東地方の中世城館 5 栃木・群馬」(2000/東洋書林)
「日本城郭体系 4」(1979/新人物往来社)
「日本城郭全集 3」(大類 伸 監修/1967/人物往来社)

■郷土誌・歴史関係
「吉井町誌」(1969/吉井町)
「中世吉井の城館跡」(1991/吉井町教委)
「吉井町の文化財」(2000/吉井町教委)
「角川日本地名大辞典 群馬県」(1988/角川書店)
「群馬県多野郡誌(1927刊行の復刻本)」(1994/春秋社)
「図説群馬の歴史」(1989/河出書房新社)
「史料で読み解く群馬の歴史」(2007/山川出版社)
「群馬県の歴史散歩」(2005/山川出版社)
「群馬県の歴史」(1997/山川出版社)
「多野藤岡地方誌」(1976/多野藤岡地方誌編集委員会)

■史料・地誌関係
「群馬県史料集 別巻1古城誌篇」(1969/群馬県文化事業振興会)
 ※高崎城大意、上州古城塁記、上毛古城記、上毛古城塁址一覧を所収
「上野資料集成」(1917/煥釆堂本店)  ※上野志、上州古城塁記、上毛国風土記、伊勢崎風土記を所収
「上野名跡誌」(嘉永6年/富田永世)1976関東資料研究会による復刻本


・2010/12/23 HPアップ
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