群馬県内の市町村別城館跡の目次へ
トップ頁へ戻る 群馬県内の市町村別城館跡の目次へ 画像掲示板へ 「ほっつきブログ」へリンク 頁の最後へ移動
 素人の趣味のため思い込みと間違いについては平にご容赦を。 お気づきの点などございましたらご教示いただければ幸いです。 
群馬県富岡市の城館索引へ戻る 丹生城大手付近 丹生城のロゴ 丹生城の堀切
1歴史・伝承 2残存遺構 3訪城記録・記念撮影 4アルバム 5交通案内 6参考・引用資料 7更新記録
関連ページへのリンク  2011年12月10日のブログ
所在地
 群馬県富岡市上丹生
歴史、人物、伝承

新田義重の築城伝承
 「上野志」によと「新田義貞の末弟である義重が、北条時行による中先代の乱(建武2年、1335)の戦功により、丹生城を賜り、以後弾正重兼、民部兼義、左衛門義景、雅楽助義行、主税助行崇、主水正景純らの八代が居城したとされ、景純は北条内匠頭政時の居城である後閑城を攻略し、その後永禄3年(1560)に甲斐武田氏に服属した」と記されている。
 また、「上州故城塁記」にも、「新田四郎義重は新田義貞の末弟であり、中先代の乱の際に北条時行と上州で戦ったと「太平記」に記されており、その後足利直義は義重の戦功に報い甘楽郡を与えた。のち代々相続して丹生山に居住し、義重7代の孫である主水景純は後閑城に転居した」旨が記されている。
 これらは何れも当初の築城者について新田義重としているが、「日本城郭全集」等の記すように、築城当時は遥かに小規模な居館であったものと考えられる。なお、城跡の北中腹に所在する金乗寺は、城主であった丹生四郎入道金乗が開基とされ、四郎義重と同一人物であることが示唆されている。ただし、以上の点については同時代の文献史料からは必ずしも明確ではないらしい。
 なお、これに対して応永32年(1425)に岩松満長が鎌倉公方足利持氏から丹生郷を知行され、地頭代の成次を配したのが新田氏(岩松氏)丹生領の始まりであるとの説もある。
 何れにしても岩松氏が後閑城へ移転したのちは小幡氏の属城となり、天正18年(1590)の後北条氏滅亡に伴い廃城となったものと考えられる。

確認可能な遺構
堀切、腰郭、主郭、小口、井戸ほか
文化財指定
 なし
訪城年月日
 2011年12月10日 11時15分から13時05分
訪城の記録 記念撮影

 概念図作成を断念
 掌の形状にも似た丘陵地帯に築造された山城で、遺構は上信越道が城跡の西側を通過しているものの概ね良好です。
 ところが持参した縄張り図等の資料と現地の地形が細部で不一致となり、この段階で独自の縄張り図ないし俯瞰図の作成を断念しました。また城域も予期した以上に広大であり、堀切、竪堀、城道なども想定以上に複雑となっておりました。このため最低でも1日程度を要して踏査しない限り、遺構の全容を把握できないことが判明しました。
 なお下記の現地解説板に記された復元図には概ね3か所の尾根筋に分かれて築造されているように描かれていますが、実際には大小あわせて6か所もの尾根筋にわたり腰郭や堀切が普請されている模様です。
( 2011/12/17 )記述
丹生城の現地解説板
丹生城の解説板
( 2011年12月10日 撮影 )
訪城アルバム
丹生城の入口
腰郭
凸1 丹生城の入口
 丘陵北側中腹に所在する金乗寺の脇を過ぎ急坂を登りきると、上信越道に架かる陸橋が見えます。
 この個所から画像の矢印に沿って左手(南東方向)すすめば、徒歩2分足らずで竪堀を伴う土橋のある城域に入ります。
凸2 腰郭
 6筋の掌状に分かれた尾根筋のうち最も西側に位置している腰郭状の地形を含む尾根筋の様子です。
 短い方の部類に属する小さな尾根筋ですが、それでも主郭の所在する稜線部からは100m以上の距離を有しています。

大手付近
堀切
凸3 大手付近
 大手と推定される辺りから少しだけ東側へと下った付近の城道(堀底道)で、この先で左手に90度近くの方向転換を余儀なくされています。
 大手方面の厳重さに比べますと、尾根続きであった搦手方面は後世の地形改変などの要素も加わり、幾分淡白な印象も拭えません
凸4 堀切
 約300m前後の長さを有する最長の尾根筋には、このような堀切状の地形と細長い郭状地形がそれぞれ4か所ずつ構築され尾根筋を堅く防御しています。
 画像は東端部に所在しているもので、現在でも参道や里道として利用されているようです。
交通案内

いつもガイド の案内図です いつもガイドの案内図

凸参考・引用資料
太字の資料は特に関連が深いもの、あるいは詳しい記述のあるもの)

■城郭関係資料
「関東地方の中世城館 5 栃木・群馬」(2000/東洋書林)
「日本城郭体系 4」(1979/新人物往来社)
「日本城郭全集 3」(大類 伸 監修/1967/人物往来社)
「群馬の古城 全3巻」(山崎 一 著/2003/あかぎ出版)

■郷土史・歴史
「富岡市史 自然編、原始・古代中世編」(1987/富岡市)
「角川日本地名大辞典 群馬県」(1988/角川書店)

■史料
「群馬県史料集 別巻1古城誌篇」(1969/群馬県文化事業振興会)
 ※上州古城塁記、上毛古城塁址一覧を所収
「上野資料集成」(1917/煥釆堂本店)  ※上野志、上州古城塁記を所収

・2011年12月17 日 HPアップ
トップ頁へ 群馬県内の市町村別城館跡の目次へ この頁の最上段へ移動